静岡県内4社、7年連続賃金改善 20年春季交渉

2020/3/11 18:46
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2020年春の労使交渉で、スズキヤマハ発動機など静岡県内の大手企業4社は11日までに賃金改善などを労働組合側に回答した。4社は7年連続となる賃金改善を回答したが、改善幅は昨年より縮小する企業も多かった。新型コロナウイルスの感染の広がりなどを背景に業績の先行き不透明感が強まっており、厳しい交渉となった。

スズキは、月額3000円の賃金改善要求に対して1300円(組合員1人平均)、5.8カ月分の年間一時金の要求に対して5.5カ月分+3万円相当(同)を回答した。月1500円の賃金改善、5.9カ月分の一時金を回答した昨年から縮小した。

主力のインド市場の低迷や、国内での検査不正の再発防止策に伴う減産を受け、20年3月期の連結純利益は前期に比べて22%減となる見通し。鈴木修会長は11日朝、業績の厳しさや、新型コロナウイルスの感染拡大などで世界経済の先行き不透明感が増している点を踏まえて回答する考えを示していた。

浜松ホトニクスは10日、賃金改善に相当するベースアップ(ベア)では昨年を200円下回る月額1000円、一時金では昨年と同額の5.5カ月分を回答した。要求はそれぞれ3500円、5.8カ月分だった。

例年の交渉では1次回答(今年は3日)を受けて交渉を続け、2次回答の時点で上積みを労組が勝ち取るのが通例だ。今回は上積みに至らなかった。労組の曽根隆執行委員長は「経済の不透明感が濃くなるなか、これ以上の上積みは難しい。来年以降も賃上げを求めていく」との考えを示した。

ヤマハは、賃金改善分では月額3000円の要求に昨年と同じ1000円、一時金では6.0カ月分の要求に、昨年(6.0カ月)を下回る5.85カ月分を回答した。病気などの治療が必要な場合に短時間勤務を認めることなども決めた。

中田卓也社長は「新型コロナの影響もあり経営環境は大変厳しいが、従業員の頑張りに応える必要がある」とコメントした。労組の石部卓中央執行委員長は「経営側には組合の意向を理解してもらえた」と語った。

賃金改善で昨年の回答額を超えたのがヤマハ発。賃金改善分は1500円を回答し、昨年実績を100円上回った。労組の久保順裕中央執行委員長は「経済状況が読めない中、組合員の頑張りに期待する会社のメッセージと受け止めている」との考えを示した。

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