ロシア下院で改憲案を基本承認、大統領権限を強化

2020/3/11 3:54 (2020/3/11 4:16更新)
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ロシア憲法改正法案の基本承認に先立ち、下院で演説したプーチン大統領(10日、モスクワ)=ロイター

ロシア憲法改正法案の基本承認に先立ち、下院で演説したプーチン大統領(10日、モスクワ)=ロイター

【モスクワ=小川知世】ロシア下院は10日、プーチン大統領が提案した憲法改正法案の第2読会(3段階審議の2番目)を開き、現大統領の任期制限の撤廃などを追加した改憲法案を基本承認した。11日に下院の第3読会を通過し、上院で可決される見通し。改憲法案は大統領経験者の不逮捕特権なども盛り込み、大統領の権限を一段と強化する内容となった。

改憲法案は下院、上院の可決後、地方議会の承認などを経て、4月22日の全国投票で一括して賛否を問う。投票者の過半数の賛成で発効する。2024年のプーチン氏の任期切れをにらみ、体制移行を円滑に進める狙いとされていたが、基本承認された改憲法案では、プーチン氏の24年以降の続投が可能になった。

改憲法案では大統領経験者を終身上院議員とし、不逮捕特権を与えると追加した。大統領が「主権、独立を保護する」などと定め、外交と内政の最高責任者としての位置づけを明記した。改憲で大統領から下院に人事権を移す首相や閣僚についても、下院が3回否決した場合は大統領が任命できるとして、大統領の権限がさらに強まった。

下院では改憲後、21年に予定する下院選を前倒しすることも与党議員から提案された。プーチン氏が「下院で意見が一致しなければ、必要性があるとは思わない」と反対を表明し、提案は取り下げられた。早期の体制移行に備えた前倒し下院選を否定し、内政の混乱を避けた可能性がある。

24年以降のプーチン氏の去就をめぐっては、改憲で権限を強める「国家評議会」の議長などとして、「院政」を敷くシナリオが浮上していた。同氏は6日、国家評議会議長への転身は「二重権力状態を意味し、ロシアにとって破滅的だ」と否定的な見方を示していた。

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