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新幹線、3月の利用者半減 JR東海社長「予想できず」

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う東海道新幹線の影響が、一段と深刻になった。JR東海は10日、3月の利用者が前年同期に比べて半減したと発表。1987年の民営化以降では過去最大の落ち込みに、記者会見した金子慎社長は「予想していなかった」と厳しい表情を見せた。影響が長引けば、今後の業績に暗い影を落としかねない。

東海道新幹線の影響は一段と深刻化(名古屋駅)

「これまでにない厳しい数字だ」。金子社長は複雑な胸中を隠しきれなかった。

2月の東海道新幹線の利用者は前年同月比8%減だったが、3月に入って落ち込み幅が拡大。1日~9日の利用者は前年同期比56%減となり、東日本大震災が発生した2011年3月の落ち込み幅(20%減)を上回った。「2月後半からここまでになるとは予想していなかった」と語った。

新型コロナウイルスの拡大感染防止に向けた政府の要請に呼応し、イベント自粛や小中学校の一斉休校などの動きが、あっという間に全国的に広がった影響が大きいと見られる。

在来線にも如実に現れ、特急列車「ひだ」「南紀」などの利用者数の落ち込み幅は、2月の13%減から3月は53%減に拡大。特急を含めた名古屋近郊の在来線の利用者数は3割少なくなったという。

外出を控えるムードが広がり、百貨店や小売業などの関連事業も落ち込んだ。

JR東海は2020年3月期の連結決算で、売上高が前期比1%増の1兆9020億円を見込んでいる。鉄道の運輸収入は1日平均で40億円弱に上り、影響が長引けば、21年3月期の業績にも大きな影を落とすのは必至だ。

■リニア静岡工区、19年度着工を断念
 JR東海はリニア中央新幹線の建設計画について、南アルプストンネル静岡工区の2019年度の着工を見送った。年度内の着工を目指してきたが、大井川の環境対策を巡る静岡県との協議に決着が付かなかった。今後は国土交通省が設置する有識者会議に舞台を移し、膠着状態の打開を目指していく方針だ。
 JR東海の金子慎社長は10日、「環境の問題でなかなか理解を得られない状態が続いている」と話した。着工時期については「時期を区切って回答するのは難しい」と述べ、引き続き地元の理解を求めていくとした。国交省は6日に有識者会議の委員構成案を示し、静岡県との間で開催に向けた調整を進めている。
 大井川の環境対策を巡っては、国交省が昨年10月に新たな枠組みを設置する方向で調整に乗り出した。地下水への影響や補償期間などを巡り、調整が難航していたが、関係者は協議の前進に期待を示している。
 ただ、有識者会議の設置期間やその後のスケジュールについては現時点で決まったものはない。金子社長は「2027年の開業時期はだんだん厳しくなっている」としており、今後の見通しは不透明だ。

(林咲希)

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