AI研究、現役東大院生棋士が誕生 将棋・谷合新四段

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文化往来
2020/3/15 2:00
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昇段を決め取材に応じる谷合広紀・新四段(右)と同時に昇段を決めた服部慎一郎・新四段(7日、東京都渋谷区の将棋会館)

昇段を決め取材に応じる谷合広紀・新四段(右)と同時に昇段を決めた服部慎一郎・新四段(7日、東京都渋谷区の将棋会館)

日本将棋連盟の棋士養成機関「奨励会」の三段リーグは女性初の「棋士」が誕生するか注目されたが、西山朋佳三段(24)は惜しくも3位に終わり偉業達成は持ち越しとなった。そんななか、東京大大学院生の棋士が誕生した。谷合広紀新四段(26)だ。東大出身棋士は法学部卒の片上大輔七段(38)に続き2人目となる。

谷合は同大大学院情報理工学系研究科の博士課程に在籍し、人工知能(AI)を使った運転支援技術を研究する。昇段を決めた7日の記者会見では「自分にしかできないことを探りながら、将棋界に貢献したい」と落ち着いて語り、棋士と研究者の二足のわらじを続ける意欲を示した。理系の大学院に通いながらプロとしても活躍した棋士には、新人王戦で準優勝した実績を持ち、後に研究者に転じた飯田弘之七段(北陸先端科学技術大学院大教授)がいる。

谷合は18年、プログラミング言語の専門書を刊行した。両立は険しい道だが、互いに息抜きにもなっている。「最近はプログラミングに疲れたら将棋を指し、将棋に疲れたらプログラミングをしている」と笑う。奨励会では順調に昇級・昇段を重ねたが、半年で上位2人しか昇段できない三段リーグで足踏み、8年半を費やした。「人生の3分の1を過ごしたわけで……。苦しみの時間だった」と振り返る。

奨励会は26歳の誕生日までに四段に昇段しなければならない。リーグ戦を勝ち越せば次の期も戦えるが、今期中に26歳を迎えることになる谷合にとっては背水の陣だった。出だし1勝3敗と負けが込んだが、怒濤(どとう)の13連勝で巻き返した。師匠の中座真七段も年齢制限ギリギリで三段リーグを突破している。師匠に奨励会の結果をメールで送り、コメントをもらっていたという谷合は「『君なら(四段に)あがれる』との言葉が心に届いた」と感謝を口にした。

(村上由樹)

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