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引きこもり支援は「急がば回れ」「上から目線ダメ」

相談員向けに研修・講演

引きこもりを「自己責任」や「甘え」の問題ととらえる相談員から傷つけられると訴え、当事者や家族が行政や医療機関への相談を途中でやめてしまうケースが後を絶たない。認識のギャップを埋めて同じ目線に寄り添う支援の実現を目指し、当事者団体が相談員を対象とした研修会や講演活動を重ねている。

「生きづらさを理解してくれない」「すぐに就労に結びつけようとする」。NPO法人「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」(東京)が2018年11月~19年1月に当事者と家族計356人に実施した調査では、そんな記載が目立つ。支援や医療機関の利用を途中でやめたと回答したのは42.4%に上った。

「KHJ全国ひきこもり家族会連合会」の研修会で講演する「オレンジの会」の鈴木美登里理事(1月、東京都港区)=共同

KHJは17年度から行政や支援機関などの相談員を対象とした研修会を開催。「急がば回れ。仲間づくりをしてから就労した人の方が定着している」。1月下旬、都内の研修会では名古屋市の支援NPO「オレンジの会」の鈴木美登里理事が語り掛けた。自らも元引きこもりの当事者だ。

沖縄市や前橋市など各地から約60人が参加。関東地方から訪れた行政担当者は「当事者の声に耳を傾け、言葉の奥にあるものに気付きたい」と感想を語った。

当事者目線の重要性は支援機関の間にも広がる。経験者らでつくる一般社団法人「ひきこもりUX会議」(東京)への講演依頼は17年の9件が18年は18回、19年は25回と増加。官民の相談員を対象にした研修会を10年から続ける内閣府は昨年初めて当事者団体を講師に招いた。

UX会議の林恭子代表理事も20年近くの引きこもり経験がある。従来の支援を「道を外れた人を治療、矯正してまともな人間に戻そうという『上から目線』だったのではないか」として「引きこもりは必ずしも悪いことじゃなく、生きづらさから身を守る行為でもある。その人が生きたい未来を一緒に見てほしい」と語る。〔共同〕

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