緊急事態宣言で施設使用制限も 特措法改正案が閣議決定

2020/3/10 8:58 (2020/3/10 10:00更新)
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閣議に臨む安倍首相(10日午前、首相官邸)

閣議に臨む安倍首相(10日午前、首相官邸)

政府は10日の閣議で、新型コロナウイルスのさらなる感染拡大に備え、緊急事態宣言を発令できるようにする新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案を決めた。国会に提出し、与野党の調整をへて13日に成立する公算が大きい。

成立すれば、首相が緊急事態宣言を発令し、都道府県知事が私的権利の制限を含む感染拡大の抑制措置をとれるようになる。企業に医薬品の安定供給を義務付けたり、まん延防止のため学校などの施設の使用を制限したりできる。

菅義偉官房長官は10日の閣議後の記者会見で緊急事態宣言について「直ちに出す状況にはないと認識している」と述べた。「国民生活に与える影響に鑑み、慎重に判断すべきだ」とも語った。

改正案は2013年に施行した現行法の対象に新型コロナを追加する内容となっている。

新型コロナが全国的かつ急速にまん延し、国民生活に甚大な影響を及ぼすといった要件を満たした場合に緊急事態宣言を発令する。専門家らで構成する諮問委員会が要件を満たすと判断すれば首相が宣言する。

首相は宣言時に対象の区域や期間を定め、都道府県知事が具体的な対応をとる。

まん延防止策としては住民に外出自粛を要請したり、学校や運動施設、映画館など多くの人が集まる施設の使用を制限するよう指示したりする。

医療体制を確保する措置では医療機関や企業に診療の提供や医薬品の安定供給を義務付けることができる。臨時に医療施設を開設するために土地や建物を収用することも可能となる。国民生活を安定させるため、必要なワクチンや食料といった緊急物資を優先的に輸送する措置も指示できる。

成立後速やかに公布され、公布翌日に施行する。施行日から最長2年間の時限措置とする。

首相はすでに全国一斉の臨時休校や大規模イベントの自粛などを要請している。改正案が成立し緊急事態宣言を発令すれば法的根拠が得られる。

これに関連し、政府は10日、新型コロナへの対応を公文書管理法のガイドラインに基づく「歴史的緊急事態」に初めて指定した。政府が政策決定した会議の議事録などの記録を義務付ける。12年に東日本大震災を踏まえて設けた措置だ。

与野党は法案の閣議決定を受け、早期成立へ向けて調整を急ぐ。立憲民主党などでつくる共同会派は特措法改正案の修正案をまとめた。10日にも与党側との協議に入る。

修正案には緊急事態宣言を発令する際に事前に国会承認を得ることや、国会が議決すれば宣言を解除できることを盛り込んだ。緊急事態宣言を出している間も国会に適宜報告するよう求める。緊急事態宣言は私権を制限するとして国会が一定の関与をすべきだと主張する。

日本維新の会は政府がイベント中止命令をできるようにし、補償措置を設けるべきだとの認識を示している。

自民党は修正協議には応じるものの、森山裕国会対策委員長は「法案の内容を修正する内容ではない」との立場をとる。法案の付帯決議で対応する考えを示している。

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