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イタリア、移動制限全土に 景気後退の恐れも

(更新)

【ジュネーブ=細川倫太郎】イタリアのコンテ首相は9日夜(日本時間10日朝)、北部地域に適用していた移動制限を10日から全土に拡大すると発表した。新型コロナウイルスの感染拡大が南部にも広がってきたためだ。同国の感染者数は中国に次ぐ規模となり、周辺国にも感染が広がっている。ヒトの移動が滞れば、経済活動が停滞し景気後退に陥る恐れもある。

4月3日まで居住地からの移動を制限し、外出を控えて自宅で過ごすように求めた。屋外での集まりは禁止とし、スポーツの試合なども当面中断する。当初、3月15日までとしていた学校の休校措置も延長する。電車やバスなど公共交通機関は止めず、仕事や健康上の理由であれば移動は認める。外国人観光客も帰国のため移動することなどは制限されないという。

首相官邸で記者会見したコンテ首相は「政府として新たな決断をした。感染者や死者がかなり増えており、時間がない」と述べた。伊当局によると、9日の累計の感染者数は前日比24%増の9172人で、死者は463人に達した。ここ数日は毎日、2~3割のペースで増え続けている。

伊政府は8日から経済都市ミラノがあるロンバルディア州全域と、他の州にある一部の県を封鎖したばかり。対象地域の住民1600万人を隔離したが、その後も感染者や死者の増加ペースが加速していた。

移動制限が出る前に北部から、中部や南部へ駆け込みで流れた人もいて、感染がさらに広がっている可能性がある。コンテ首相は「我々は習慣を変えなければならない。厳格な規制に適応していこう」と国民に理解と協力を求めた。

フランスやドイツ、スペインも感染者数が1000人を超えた。イタリアに滞在していた人からの感染も多いとみられる。欧州では大半の国が域内の移動の自由を定めた「シェンゲン協定」を結んでいる。欧州連合(EU)は国境の封鎖はしない方針を維持している。

ただ、感染拡大がさらに深刻になれば、シェンゲン協定の一時停止という事態に発展する恐れもある。そうなれば欧州全体の経済活動が停滞するのは必至で、景気に大きな打撃となる。

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