新型コロナ、欧米で急拡大 独仏で感染者1000人超す

2020/3/9 22:00
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新型コロナウイルスの感染が欧米で急拡大している。8日にはイタリアでは新型コロナによる死者数が新たに100人以上増え、米国の感染者数は日本を上回った。世界保健機関(WHO)によると感染者が確認された国・地域は105に広がり、新規感染者数も中国以外の国・地域が9割以上を占めている。

イタリア保健当局は8日、新型コロナによる死者が1日で133人増え、366人に達したと発表した。感染者数は前日から25%増の7375人となった。伊政府は同日、経済都市ミラノがあるロンバルディア州など北部地域14県を4月3日まで封鎖し、他の地域への移動を原則禁止した。

ロンバルディア州は伊産業の心臓部。高級ブランドのアルマーニやプラダがミラノに本社を置くほか、自動車関連や精密機械でも周辺国に部品や素材を輸出する一大供給拠点になっている。伊メディアによると、新型コロナの影響で欧州各国に向かうトラックが止まるなど、物流が機能不全に陥り始めている。

英国の保健当局は9日、伊北部からの入国者全員に症状の有無にかかわらず14日間の自主隔離を求めると発表した。

9日、ミラノの主要駅ではマスクをした警官の姿も=ロイター

9日、ミラノの主要駅ではマスクをした警官の姿も=ロイター

フランス保健省は8日、国内での感染者が1126人に達し、うち19人が死亡したと発表した。ベラン保健相は同日の記者会見で「1000人以上が集まるすべての行事を禁止する」と明らかにした。同国は2月末時点で5000人超の行事を禁止していたが、対象範囲を拡大した。

感染者数が9日朝時点で1000人を超えたドイツでは連立与党が新型コロナウイルス対策をまとめた。企業が時短勤務を導入しやすくするほか、資金繰りに問題が生じた企業への金融支援が柱になる。2021年から4年間で計124億ユーロ(約1.4兆円)の投資拡大策も盛り込んだ。

欧州産業界には「沈む輸出が経済成長にブレーキをかけている」(ドイツ産業連盟のヨアヒム・ラング氏)との懸念が広がっている。ルメール仏経済・財務相は9日、16日に開くユーロ圏財務相会合に景気対策を含む財政措置を提案する方針を明らかにした。

米ジョンズ・ホプキンス大学によると、米国全体での感染者数は8日午後5時時点で511人に達し、約500人の日本を上回った。米CNNテレビによると、8日時点で西部オレゴン州など8州が非常事態宣言を出したという。米国内の死者は20人を超え、各州は衛生用品や人員の確保を急いでいる。

新型コロナの感染が広がる米大型クルーズ船「グランド・プリンセス」は9日にも、米カリフォルニア州北部のオークランド港で乗客の下船を始める見通し。下船後の乗客は一定期間隔離し、健康状態を確認する措置を取る。乗員については船内にとどめるという。

アジアでは欧州からの新型コロナの「逆流」を防ぐ動きも出始めた。ベトナム政府は9日、英独仏など欧州8カ国からの国民に対するビザ(査証)の免除措置を一時的に停止すると決めた。ロンドンからハノイに到着したベトナム航空機内で集団感染が発生し、国内の感染者が再び急増したためだ。

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