世界の石油需要11年ぶり減へ IEAが2020年予測
新型コロナで

2020/3/9 18:30
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世界の石油需給の緩みは一段と広がる見通し(リビア沖の油田施設)=ロイター

世界の石油需給の緩みは一段と広がる見通し(リビア沖の油田施設)=ロイター

【ロンドン=篠崎健太】国際エネルギー機関(IEA)は9日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2020年の世界の石油需要予測を大幅に引き下げた。前年比で日量9万バレル減と米金融危機後の09年以来、11年ぶりに通年でマイナスとなる見通しだ。供給側は協調減産をめぐる石油輸出国機構(OPEC)とロシアの交渉決裂で4月から増産が想定され、需給の緩みが決定的になる。

IEAは前回2月13日時点では、20年の石油需要は前年比で日量82万5000バレル伸びるとみていた。下方修正の幅は日量91万バレルあまりと、世界需要の1%弱にあたる。新型コロナが欧州や米国など世界に拡散し、世界景気への打撃が強まる見通しとなったことを反映した。

1~3月期は世界の石油需要が前年同期比で日量250万バレル減る見通しだ。うち180万バレルが中国だ。2月単月の世界需要の減少幅は日量420万バレルだったと推計した。

中国は19年の石油需要の伸びの約8割を占めた。新型コロナによる航空機の減便や生産停止などで20年に入ってからは産業用需要が激減している。予測は20年後半に世界需要が正常時に近づくことを前提としているが、感染拡大が欧米で続くなか不透明感は強い。

感染の拡大で世界経済の混乱が長期化する場合の想定も示した。「悲観シナリオ」では20年の石油需要の減少幅は日量73万バレルに広がるとした。

ビロル事務局長は新型コロナについて「石油市場への影響は特に深刻だ。ヒトやモノの動きが止まり、輸送用燃料の需要に大きな打撃になっている」とコメントした。発生地の中国で始まった経済活動の停滞は「世界のエネルギー、石油市場への暗示になる」との見方を示した。

OPECとロシアなど主要な非加盟国の協調減産交渉が決裂したことについて、IEAは「状況の注視を続ける」と説明した。

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