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東京大空襲、逃げた道をランでたどる 10日に開催

火の海を逃げ惑ったあの日に思いをはせよう――。下町を中心に約10万人が犠牲になったとされる1945年の東京大空襲から75年となる10日、生き延びた被害者の足取りをたどるランニングイベントが開かれる。空襲が始まった時間帯に合わせ、未明に開催。主催者らは「寒さや眠さなど当時の状況を少しでも体感して、犠牲者を追悼したい」としている。

昨年8月に開かれたランニングイベントで、自転車に乗って先導する伊藤薫さん(手前、東京都江東区)=本人提供・共同

イベントは「RUN for Survive」。10日午前0時から1時間かけて、当時7歳だった上原淳子さん(82)=東京都江東区=の逃げた約2キロを走る。同区の清澄白河駅周辺からスタートし、隣接する中央区でゴールする。

東京大空襲の日、上原さんは家族と隅田川に架かる永代橋へ。「熱さに耐えられず、次々と人が飛び込んでいました」。その後、中央区方面へ向かい、火にのまれないよう体を伏せ、はいながら移動した。熱さや痛みは感じず「とどまったら終わり。とにかく一歩先まで生き延びよう」との一心だった。夜が明けると、真っ黒になった遺体が無数に横たわっていた。

空襲の語り部をする中で、江東区内で空襲の慰霊碑や防空壕(ごう)を巡るツアーなどを提供している「TreckTreck」代表の伊藤薫さん(38)=同区=と出会った。伊藤さんは「多くの人に関心を持ってもらうため、疑似体験できるようなことがしたい」と、ランニングイベントをしている同区のアート・プロデューサーの林暁甫さん(35)と企画を立ち上げた。

昨年夏にも、上原さんのたどったルートを昼間に走るイベントを開催。自転車で先導した伊藤さんは「走ってみると意外に短い。だからこそ、上原さんの体験の重さを感じた」と振り返る。

「空襲のつらさは体験できないけど『今走っているこの道を逃げた人がいる』と思うことで、見えるものがあるかもしれない」と林さん。上原さんも「私が隠れたビルや、身を伏せた原っぱがここにはあったんだなと思いながら走ってもらえるといいな」と話している。

〔共同〕

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