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静寂の土俵、力士に戸惑い 「神社に来たよう」

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、史上初の無観客開催となった大相撲春場所が8日、大阪市浪速区のエディオンアリーナ大阪で初日を迎えた。静寂の中で淡々と進む土俵に力士からは戸惑いの声も。長い15日間が始まった。

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無観客で開催した大相撲春場所

土俵入りや熱戦への歓声も凡戦へのため息もない。水を打ったような館内にはカメラのシャッター音が響いた。横綱白鵬の土俵入りで露払いを務めた石浦は自身の相撲で白星を挙げても「緊張感は全然なかった。やりにくさしかなかった? そうですね」と戸惑いの表情。白鵬は「1日終わった。それだけ。ああだ、こうだはない」と言い、足早に引き揚げた。

様々な風景が平時と違う。感染リスクを減らすため、取組前の力水ではひしゃくに口をつけず、所作をするだけ。報道陣は支度部屋や1階席への立ち入りが禁じられ、花道の奥に設けられた柵を隔てて取材する。

土俵下に幕内力士がそろった協会あいさつで八角理事長(元横綱北勝海)は述べた。「力士の体は健康の象徴といわれ、四股は邪悪なものを大地に押し込めると信じられてきた。日本はもちろん、世界中の方々に勇気や感動を与え、世の中に平安を呼び戻すことができるよう、15日間全力で努力する所存です」

テレビ中継があるとはいえ、興行の体はなしていない。様々なスポーツイベントが中止になる中、場所を開催する意義を八角理事長は「相撲は単なるスポーツでなく神事。淡々とこなすことに価値がある」と強調する。

ベテランの琴奨菊は「(静かな場内は)神社に来たような神聖さを感じた。こういう場所だからこそ自分の相撲を取りきりたい」と前を向いた。大関貴景勝は「お客さんも大相撲をつくってくれていると改めて感じた。自分のためと思っても力が出ない。応援してくれる人のために元気のある相撲を取りたい」と誓う。厳しい状況の中、相撲の価値が問われる。

(吉野浩一郎)

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