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台湾・国民党が主席選 「親中」色の払拭競う

中国の統一工作に影響も

【台北=伊原健作】台湾で7日、最大野党・国民党が党主席選挙を実施し、親中色の払拭を掲げる立法委員(国会議員に相当)、江啓臣氏が当選した。同党は1月の総統選で対中強硬路線の与党・民主進歩党(民進党)に大敗。江氏は中国への警戒感を強める民意との距離を縮める方針だが、同党との交流を活用する中国側の台湾統一工作に影響が出る可能性がある。

今回は総統選での大敗を受け前主席が引責辞任したことに伴う補欠選挙で、元約34万人の党員投票だった。江氏は68.8%を得票し、31.2%だった元台北市長の郝龍斌氏を大差で破った。ただ投票率自体は約36%と低水準だった。

選挙戦は2候補がともに「中国離れ」を主張する異例の展開となった。江氏は国民党の理念を「華人社会で自由と民主主義をけん引する」ことだとし、「両岸(中台)で最も大きな距離は民主主義にある」と民進党と似た表現も使った。

郝氏も中国側が台湾側の主権を認めないなら中台交流の「終了を検討する」と応戦した。ただ支持基盤は軍人・公務員ら保守層が中心で、従来路線からの転換を求める党員の支持が江氏に集中した。

国民党の馬英九・前政権(2008~16年)は、中台当局者が「一つの中国」原則を認め合ったなどとする「92年コンセンサス」を掲げ、主権の問題を棚上げすることで中国との経済交流を促進した。だが昨年1月に中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席が香港と同じく、高度な自治を認める「一国二制度」を使って台湾統一を進める方針を明言。主権を守りながら中国から経済利益を引き出すとの国民党の主張の説得力は薄れた。

ただ江氏は7日の当選後の談話で対中政策には触れず、「党の誇りを取り戻す」などと無難な内容に終始した。台湾内部での親中批判を回避しつつ、中国側が交流の前提として認める新たな合意を作り出すのは困難との見方も多い。

中国側は民進党を「台湾独立勢力」と批判し、蔡英文(ツァイ・インウェン)政権の頭越しで国民党ら親中勢力と交流することで統一を引き寄せようとしてきた。蔡氏が総統選で過去最多得票で再選を決めたことで統一工作は行き詰まりが鮮明になった。国民党が中国離れに向かわぬよう、今後圧力をかける可能性もある。

台北市の国民党本部前では同日、中台統一を主張する横断幕を掲げた数十人が集まり、国民党は「第2の民進党だ」などと批判の声を上げた。

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