米金融市場、リーマン級の波乱相場に 長期金利は最低

2020/3/7 6:34
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【ニューヨーク=大島有美子】新型コロナウイルスの感染が米国内で急拡大し、今週(3月2~6日)の米金融市場は大荒れとなった。マネーは安全資産に殺到し、長期金利の指標とされる米10年物国債の利回りは週間で0.4%下げて過去最低を更新。ダウ工業株30種平均は1000ドル前後の上げ下げを繰り返した。収束の見えないコロナリスクで、市場は2008年のリーマン・ショック以来の不安定さを見せている。

今週の米金融市場も大荒れとなった(6日、ニューヨーク証券取引所)=ロイター

6日の株式市場は大幅に続落して始まり、下げ幅は一時900ドル近くに達した。終値は256ドル50セント(1.0%)安の2万5864ドル78セントとなり、大幅に下げた前週末よりは455ドル(1.8%)高と値を戻した。

米労働省が同日発表した2月の雇用統計は、非農業部門の就業者数が前月比27万3000人増と労働市場の底堅さを示したが、過去の数字のため市場の不安を拭えなかった。「大事なのは(新型コロナの影響を織り込む)3月の数字だ」(モルガン・スタンレーのロバート・ローゼナー氏)

市場では、株価が前日比で3%以上動くと不安定な値動きとされている。2月24日からの2週間で3%以上動いたのは6回に上り、リーマン・ショック後の2008年10月以来の波乱相場となった。

「個人やヘッジファンドの資金が向かっていた上場投資信託(ETF)などから、大量に資金が流出している」。米証券ジェフリーズの株式ストラテジスト、スティーブン・デサンクティス氏はこう説明する。割高感の高まっていたハイテク株や新型コロナの影響をもろに受ける航空株などを直撃した。

米連邦準備理事会(FRB)が0.5%の緊急利下げを実施した3日もダウ平均は2.9%下げ、「FRBが期待したような動きにならなかった」(投資銀行エバコアISIのスタン・シプレー氏)。金融市場を支えるどころかかえって不安を招いた。安全資産とされる米国債の買いが殺到し、長期金利は同日初めて1%を割り込んだ。早くも市場は追加利下げを期待し、17~18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ確率を100%とみている。

今週は金利も歴史的な下げを記録した。米10年物国債の利回りは6日、一時0.66%まで下がり、0.76%付近で終えた。2週前の2月21日(1.47%)と比べほぼ半減した。2週間の低下幅は欧州債務危機に揺れた11年8月以来の大きさとなった。

低リスク資産へのマネーの移動は国債にとどまらない。安全資産と位置づけられる金も買われ、ニューヨーク金先物相場は6日、一時前日比1.4%高の1トロイオンス1690.7ドルと2月下旬以来の高値となった。

ニューヨーク外国為替市場では安全通貨とされる円が買われ、ドル売りが加速した。6日の円相場は1ドル=105円ちょうど近辺で、1ドル=104円台半ばをつけた19年8月下旬以来、約7カ月ぶりの円高・ドル安水準となった。

相場の将来変動率を示す「VIX指数」は6日、一時54まで上昇した。50を超えたのは18年2月以来、約2年ぶりだ。「恐怖指数」の別名を持つVIXは20を超えると投資家が株式市場の先行きを警戒しているとされている。米プルデンシャル・ファイナンシャルのクインシー・クロスビー氏は「市場は新型コロナのニュース、関係当局の発表、企業経営者の発言に左右される日々が続くだろう」と話す。

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