米の対中貿易赤字、1月は8%減 合意実現には不透明感
【ワシントン=鳳山太成】米商務省が6日発表した1月の貿易統計(季節調整済み、通関ベース)によると、対中国のモノの貿易赤字は236億6900万ドル(約2兆5千億円)と前月に比べて8.1%減った。輸出が増えた。2月に対中輸出を大幅に増やす「第1段階の合意」が発効したが、新型コロナウイルスの感染拡大で実現には不透明感が漂う。

1月の対中輸出は3.3%増えて77億ドルだった。米中両政府は2019年12月に第1段階合意に達し、20年1月に署名した。中国政府は合意が2月に正式発効する前から大豆や豚肉など米農産品の購入を増やしていた。
一方、1月の対中輸入は314億ドルと5.5%減った。電子部品などへの追加関税を避けるため、メキシコなど他国から調達する動きが進む。
米中の第1段階合意により、中国は農産品やエネルギーなどの対米輸入を増やすと約束し、米国は追加関税の大部分を残した。米国の19年の対中赤字は3年ぶりに縮小し、その傾向が20年も続くとみられていた。ただ新型コロナで中国の需要、供給のいずれにも制約がかかり先行きは見通しにくくなっている。
米国の1月の貿易赤字は全体で659億ドルと3.8%縮小した。2カ月ぶりの減少。対日赤字は19.6%増えて53億ドルだった。輸出が落ち込んだ。