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米雇用堅調、2月は27万人増 月内なお利下げ観測

【ワシントン=河浪武史】米労働省が6日発表した2月の雇用統計(速報値、季節調整済み)は、景気動向を敏感に映す非農業部門の就業者数が前月比27万3千人増えた。同統計は毎月中旬に集計するため新型コロナウイルスの影響は限られ、増加幅は市場予測(約17万人)を大きく上回った。ただ、先行きは下振れ懸念が強く、米連邦準備理事会(FRB)が3月中に再び利下げを決める可能性がある。

雇用者数の伸びは前月(27万3千人)と同じだった。失業率は3.5%と前月から0.1ポイント改善し、約50年ぶりの低水準を維持している。直近3カ月の雇用者数の伸びも月平均24万強と、FRBが巡航速度とみる月10万人を大きく上回った。

就業者数を産業別にみると、金利低下で住宅需要が高まる建設業が4万2千人増えた。中国などとの貿易戦争が一服して、製造業も雇用を1万5千人積み増した。全体の平均時給は前年同月比で3.0%増え、19カ月連続で3%台を保った。

ただ先行きは新型コロナの感染拡大で、米労働市場に下押し圧力がかかりそうだ。3月から世界的に感染者数が増え、サプライチェーン(供給網)の混乱や旅客需要の落ち込みは深刻だ。米国の感染者数も増加基調にあり、旅客業や観光業などの打撃は避けられない。

実際、企業業績には陰りがある。アップルはスマートフォン「iPhone」の供給が滞り、1~3月期の売上高が「当初予想には到達しない」と発表した。米航空会社も減便に着手している。

もともと、米労働市場にはピークアウトの気配が漂い始めていた。先行指標の一つである求人数をみると、2019年11月は前月比57万件減、同12月も36万件減と、2カ月連続で急ブレーキがかかっている。米雇用は10年近く拡大基調が続いてきたが、新型コロナによる景気不安が追い打ちとなって、成長が一時的に止まるリスクもある。

景気不安が拭えなければ、FRBは追加利下げも辞さない構えだ。3日に緊急利下げしたばかりだが、パウエル議長は同日の記者会見で「今後の動向を注視し、経済を支えるために適切に行動する」と強調した。17~18日には定例の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開くが、5日の先物市場ではわずか2週間で再び利下げするとの観測が100%に達した。再び0.5%の大幅利下げに踏み切るとの予測も8割を超す。

もっとも、3日の緊急利下げでも投資家や企業の不安は拭えず、市場の動揺が続く。パウエル議長は「利下げで感染率を下げることができないのはわかっている」と話すが、金融政策だけでは旅客需要の落ち込みなどに対処できない。政策金利は既に1.00~1.25%まで下がっており、政策余地を欠くことにも投資家らの不安がある。

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