シリア停戦、ロシアとトルコ合意 EUは難民抑制支援へ

2020/3/6 20:41
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共同記者会見に臨むトルコのエルドアン大統領(左)とロシアのプーチン大統領(5日、モスクワ)=ロイター

共同記者会見に臨むトルコのエルドアン大統領(左)とロシアのプーチン大統領(5日、モスクワ)=ロイター

【イスタンブール=木寺もも子】シリア北西部イドリブ県で6日午前0時(日本時間同7時)すぎ、同国のアサド政権軍とトルコ軍などが停戦期間に入った。5日に首脳会談を開いたトルコと政権軍を支えるロシアの合意を受けた。トルコは停戦維持の後ろ盾として北大西洋条約機構(NATO)加盟国の欧州諸国の関与を求めるが、欧州側は難民抑制の人道支援にとどめる構えだ。

EUは6日、クロアチアの首都ザグレブで外相理事会を開き、対応を協議した。記者会見したEUのボレル外交安全保障上級代表は「国境は閉じており、人々は国境に向かうべきではない」と事態の沈静化を呼びかけた。6月29、30日にシリア関連の支援国会合をブリュッセルで開くことを決めた。欧州委員会はシリア北東部の人道支援に6000万ユーロ(約71億円)を投じる方針だ。

トルコは、隣国シリアの混乱でさらに多くの難民が越境してくる事態を懸念する。EUはイドリブ県の中で難民化した住民を助け、トルコの負担を軽減する狙いだ。

トルコはすでに約360万人のシリア難民を抱え、財政負担が重くなっている。アサド政権軍との衝突が激化した2月末にはEUに加盟するギリシャ、ブルガリアとの国境を開き、難民に渡欧を促した。EUは4日に内相理事会を開き、トルコが2016年にEUと結んだ難民抑制の協定を順守すべきだと非難した。

トルコのエルドアン大統領とロシアのプーチン大統領によるモスクワでの首脳会談は(1)イドリブ県の非武装地帯における軍隊の接触地点で軍事行動を停止(2)シリア西部から同県に延びる東西方向の幹線道路「M4」とその南北6キロメートルを通行可能な「安全地帯」に指定(3)M4に沿って15日、ロシアとトルコが共同パトロールを開始――などで合意した。安全地帯の詳細は7日以内に詰める。

2011年からのシリア内戦で、アサド政権軍はロシア、イランの支援を受け、優位に立つ。国内の大半を掌握し、残るイドリブ県で複数の反体制派を攻撃する。反体制派の一部はトルコの支持を受けており、同国はイドリブ県に部隊を駐留させている。政権軍は2月上旬以降、反体制派の掃討を本格化させた。トルコ軍も攻撃し、計50人以上が殺害された。トルコ軍の反撃を受けた政権軍側も多数が死傷したもようだ。

トルコ、ロシアは5日の首脳会談で、当面は協調する方針を確認した。両国は内戦終結後のシリア安定を目指し、関係悪化をなるべく避ける姿勢だとみられる。首脳会談前の記者会見で、エルドアン氏は、ロシアとの軍事、経済面での協力の「強化を望む」と述べた。

だが、合意では重要な課題のいくつかが曖昧なまま残された。政権軍が占領した地域に残されたトルコ軍の停戦監視拠点の取り扱いなどだ。イドリブ県における反体制派を含む停戦合意はこれまでに成立と破棄が繰り返されており、今回もどのくらい続くか不透明だ。

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