緊急事態宣言、与党に事前通知 新型コロナ 私権制限の慎重運用を強調

2020/3/6 21:00
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自民、公明両党は6日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、緊急事態宣言を発令できるようにする新型インフルエンザ対策特別措置法改正案を了承した。発令時には事前に与党に通知する。政府が先月末に小中高の全国一斉休校を要請した際に事前説明がなかったことに批判が相次いでいた。

政府は6日、与党に「緊急事態宣言を行うまでの手順」と題した資料を提示した。新型コロナの感染拡大が深刻化した場合、政府はまず感染症の専門家らで構成する諮問委員会を開く。諮問委が緊急事態宣言を発令する要件を満たすと判断すれば政府が発令を決め、首相が宣言する。その後、政府が国会に報告する。

政府は6日、与党に対して諮問委に検討を諮る段階で連絡すると口頭で説明した。自民党の鈴木俊一総務会長は記者会見で「万が一、そういうことになった場合には幹事長や政調会長、総務会長らに説明がある」と述べた。公明党の石田祝稔政調会長は記者団に「国民が心配していることには、与党と政府が一体で取り組む。唐突ではなく、大事なことは伝えてもらいたい」と強調した。

与党が事前連絡にこだわるのは緊急事態宣言が私権制限を伴うためだ。宣言を出せば政府が要請している休校や大規模イベントの自粛などに法的な裏付けが生まれる。臨時医療施設の設置のため所有者の同意なしに土地を使用できたり、医薬品や食料を確保できたりするようになる。

与党内には安倍晋三首相が2月27日に全国の小中高校などへの休校を要請した際、根回しがほとんどなかったことへの不満もある。公明党は当初、改正案を5日に了承する予定だったが発令に与党が関与することを求め、6日に先送りした。北側一雄副代表は5日の記者会見で「与党の主要な人に相談するのは、国民の権利や自由を制約する宣言の性格から当然」と語っていた。

政府・与党は10日に改正案を国会へ提出する予定だ。13日の成立を目指す。原案では新型コロナが指定感染症となった2月1日に遡って適用すると明記していたが、野党の批判を受け公布の翌日からと修正した。

菅義偉官房長官は6日の参院予算委員会で、緊急事態宣言に関して「慎重に抑制的にやるべきだと思っている」と述べた。政府内で発令を想定した具体的な検討をしているか問われると「話していない」と語った。

全国知事会は6日、改正案について緊急提言した。立法の必要性や内容を国民に丁寧に説明することや、緊急事態宣言を発動する場合の判断基準について明示することなどを求めた。提言は徳島県知事の飯泉嘉門会長が官房長官に渡した。

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