イスラエル総選挙、首相支持勢力は過半数割れへ 混迷が長期化

2020/3/6 18:18
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【ウィーン=飛田雅則】イスラエルで2日に実施された一院制の国会(定数120)の総選挙で、5日までの開票作業(約99%)の結果、ネタニヤフ首相の続投を支持する右派・宗教系勢力の獲得議席は58議席にとどまった。政権発足に必要な過半数には届かなかった。次期政権の樹立に向けた連立協議の難航は必至で、政治の空白期間は長期化しそうだ。

イスラエルの総選挙で、ネタニヤフ首相を支持する勢力は過半数に届かなかった=AP

ネタニヤフ氏が率いる右派与党のリクードは36議席と第1党に返り咲いた。ライバルのガンツ元軍参謀総長らの中道野党連合「青と白」は33議席と第2党。選挙管理委員会は10日までに最終結果をまとめるもようだ。

リブリン大統領は選挙結果を受けて議席を得た政党から意見を聞き、連立政権を樹立させられる可能性が高い議員に組閣を指示する。収賄罪などで起訴され17日に初公判が予定されるネタニヤフ氏に組閣を要請すべきではないとの意見も出ている。仮にネタニヤフ氏が要請されても、連立交渉は多難が予想される。

第1党のリクードと、第2党で最大野党の「青と白」の大連立が実現すれば安定政権につながるが、ガンツ氏は汚職問題を抱えるネタニヤフ氏の退陣を要求している。ネタニヤフ氏は19年12月のリクード党首選で70%超の圧倒的多数の支持を得て勝利しただけに「ネタニヤフ氏抜き」の連立に応じることは難しい。

7議席が見込まれるリーベルマン元国防相の世俗派の極右政党「わが家イスラエル」は敬虔(けいけん)なユダヤ教徒に対する徴兵の免除など優遇措置の廃止を求めている。リーベルマン氏はネタニヤフ氏に協力する条件として、宗教政党を連立から排除することを主張し続けている。すでにユダヤ教系政党はネタニヤフ氏が樹立を目指す連立政権への協力を表明した。

7議席の左派の労働党・メレツや15議席となったアラブ系政党は、パレスチナに対して強硬姿勢を示すネタニヤフ氏に協力することをこれまで否定している。

首相続投に意欲を見せるネタニヤフ氏は、政権発足後のポストを提示することで野党議員に対する造反工作に動いているもようだが、成功するかどうかは未知数だ。

イスラエルでは2019年4月、9月の総選挙後に連立協議が失敗。今月2日に約1年間で3度目となる総選挙が実施される異例の事態となっている。

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