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元SMAP「新しい地図」 おしゃれ番長は香取慎吾

コラムニスト いで あつし

2018年、パリで開かれた香取慎吾さん(左)の個展の内覧会で稲垣吾郎さん(中)、草彅剛さんと。ファッション誌も注目する3人だ=共同
記者会見でのスーツ姿、人気ドラマの主人公のファッションなど、メディアで話題にのぼる人の着こなしは気になるもの。そんな「ニュースな人」のファッションの背景にあるものとは。男性ファッションに詳しいコラムニスト、いであつし氏が解説します。



自分のブランドを立ち上げるほど服好きな香取慎吾

なにやら今年になって地上波も解禁になったらしくて、あちらこちらで露出が多くなってきた「新しい地図」の香取慎吾、草彅剛、稲垣吾郎の3人。

筆者は芸能ライターではないのでそのへんの詳しい事情についてはまったくわかりませんけど、メンズファッション誌の業界でも最近この3人を個々で起用したいという声をよく聞く。それもかつてのようにお仕着せのアイドル扱いではなく、さりげなくファッションページでモデルとして使ってみたいんだそうだ。なんたって元SMAPですからね、どんなブランドを着てもそれなりにおしゃれに着こなせちゃうでしょう~。そこで今回は、新しい地図の3人のファッションについて考察してみたい。

3人のなかで一番の服好き。自分のブランドも立ち上げた香取慎吾さん=共同

新しい地図の3人の中でも一番のおしゃれ、というか服好きが香取慎吾である。なにしろ自分のブランドを作っちゃうほどですからね~。人気スタイリストの祐真朋樹氏と組んで「ヤンチェ・オンテンバール」という、舌を噛(か)んじゃいそうなブランドを立ち上げているのだ。いやいや、でもこれがアータ、デザインのセンスといいクオリティーの高さといい、海外のメゾンブランドにもひけをとらない出来だから驚くでないか。

昨年の秋、海外の一流コートブランドにも負けない国内でも屈指の技術を持っている某コート専門工場を取材したのだが、ちょうどその時にこのコート工場でフル稼働で絶賛生産中だったのが、ヤンチェ・オンテンバールの冬物コートだった。

一見ベーシックなデザインのコートなのだが、裏地には「アーティスト」香取慎吾が描いた鮮やかな抽象画がプリントされている。値段を聞いて驚いた。なかなかのいいお値段するのである。ところが追加生産されるほど売れているのだそうだ。SMAP時代からのファンなどは着用と記念の鑑賞用と2着買ったりしているんだとか。

「作るからには、徹底的にこだわって納得のいくちゃんとしたものを作りたい」と、スタイリストの祐真氏と一緒に工場にまで訪れたという香取慎吾。工場で働く全女子工員が「ここで働いていてよかった!」と大喜びして、工場はパニック状態になったとか。いやぁ~、ちょっといい話ではありませんか。

ちなみに私服は、自ら「服バカ」と名乗っているように普段からエッジのきいたデザインのモードブランドの服も楽しむように着こなしている。香取慎吾なら、最近の「トム・ブラウン」のコレクションのスーツにスカートでハイヒールスタイルといった、話題のジェンダーフリーな服でも普通におしゃれに着こなせて絶対似合うと思う。

でもコンサバな筆者は、昔フジテレビの月9の「薔薇のない花屋」で、「ポロ・ラルフローレン」のコットンダックのハンティングジャケットを着ていたアメカジスタイルの慎吾ちゃんが一番好きですけどもね。

ビンテージジーンズマニアの草彅剛

続いて、草彅剛。ツヨポンといったら「リーバイスの大戦モデル」(1940年代前半に作られたリーバイス)である。ファンの間でもビンテージジーンズマニアとしてよく知られていて、昨年の秋に開催されたソロコンサート「草彅剛のはっぴょう会」も、ステージ上に本人のコレクションの一部からセレクトしたお気に入りのビンテージジーンズやらウエアやらが飾られて、ちょっとした原宿の古着ショップのようであった。

ビンテージジーンズマニアとして知られるのは草彅剛さん=共同

ユーチューバーとしてデビューした草彅剛を見ても、ネタはもっぱら大好きなビンテージウエアのウンチクトークである。毎回愛犬のクルミちゃんと一緒に出てくる趣味全開のユーチューブなのだ。

例えば、ブーツはエンジニアブーツが大好きで現行品からオールドまで何十足も持っているけど、結局よく履いているのは昔から持っているエイジングして茶芯が見えている黒の「レッドウィング」だとか、本当はジージャンよりもカバーオールの方が好きで、100年前の炭鉱から発掘されたカバーオールを得意げに羽織って自慢し、そして必ず言うセリフが「わかる人にはもう本当にスゲー! ヤバイんですけど、わからない人にはまったく興味ないんだろうな~。でもいいんです! ボクが好きでやってるんですから」。

もうアータね、ユーチューバーの草彅剛はアイドル時代にはできなかったことをやりたい放題である。果たしてSMAP時代からのファンはついていけてるのであろうか?

でもビンテージデニムオタクな草彅剛、筆者は嫌いじゃないです。昔、表参道の「RRL」でデニムを物色している草彅剛と遭遇したこともあり、「へぇー、ツヨポンは今どきのジャパンデニムブランドも好きで『ボンクラ』(大坂の新進デニムブランド)のジーンズとかもはいてるんだ」とか、ユーチューブチャンネルもアメカジ好きにはけっこう楽しめます。

コンサバなスタイルがよく似合う稲垣吾郎

さて、まだ出てこないかまだ出てこないかと大変ジラしましたが、最後はジラ垣吾郎こと稲垣吾郎。NHKの朝ドラ「スカーレット」にもジラしてやっと登場しましたからね~。

コンサバスタイルがよく似合う稲垣吾郎さん=共同

これはあくまでも筆者の私見でありますが、モードで服バカな香取慎吾、ビンテージデニムオタクな草彅剛と違って、「新しい地図」の3人の中でも稲垣吾郎はファッションに関して意外と無頓着ではないかと思う。

しかしそこはさすが元アイドルですから。SMAP時代からずっと変わらぬ真ん中分けのヘアスタイルで、何を着てもおしゃれに着こなせるのだ。ファッションよりも、趣味のワイン好きが高じてレストランも開店したくらいである。年代物のワイングラス片手に裸でバスローブなんて格好が様になるのが稲垣吾郎なのである。

普段の私服を見ると、ジャケットやスーツなどちゃんとラペルのある服を着たコンサバなスタイルがよく似合う。筆者がメンズファッション誌の編集者だったら、稲垣吾郎をモデルに使って、イタリアの「リベラーノリベラーノ」や英国の「アンダーソン&シェパード」なんかで仕立てたビスポークスーツをタイドアップで着せてみたい。

朝ドラのスカーレットも白衣姿が実に似合っている。ここはひとつ、大崎先生にも白衣を着るのを嫌がらずに、「ビームス」のクリエイティブディレクターの中村達也氏がディレクションしている「ビームスメディカル」の白衣を着こなしていただきたいところですな。

いで あつし
1961年静岡生まれ。コピーライターとしてパルコ、西武などの広告を手掛ける。雑誌「ポパイ」にエディターとして参加。大のアメカジ通として知られライター、コラムニストとしてメンズファッション誌、TV誌、新聞などで執筆。「ビギン」、「MEN'S EX」、JR東海道新幹線グリーン車内誌「ひととき」で連載コラムを持つ。

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