寄る辺なき現代の孤独すくう言語術 別役実さんを悼む
編集委員 内田洋一

2020/3/10 16:30
情報元
日本経済新聞 電子版
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人工国家の標準語

電信柱とベンチ。それだけの舞台に男1、女1といった名をもたない、さすらう民が現れる。奇妙なお茶会やままごとが始まり、淡々とした会話のすれ違いの果て、衝動殺人や奇怪な混乱が起きる。それが「電信柱のある宇宙」と評された別役実さんの不条理劇だ。

第2次世界大戦後の欧州で興隆した不条理劇は、絶望的状況を笑いや不可解な衝動から描きだした。正体不明の存在をただ待ち続けるベケットの「ゴドーを…

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