若手専門レーベル 日本コロムビアがクラシックで挑戦

2020/3/13 2:00
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日本コロムビアの若手クラシックレーベル「オーパス・ワン」からCDを発表した指揮者の坂入健司郎

日本コロムビアの若手クラシックレーベル「オーパス・ワン」からCDを発表した指揮者の坂入健司郎

2019年に日本コロムビアが立ち上げたクラシックの若手専門レーベル「オーパス・ワン」が、CD不振のさなかにあって孤軍奮闘している。第1弾としてバイオリンの石上真由子ら5人の若手のCDを発表し、20年は第2弾として、指揮者の坂入健司郎、メゾソプラノの高野百合絵、バイオリンの福田廉之介という3人の若手がCDデビューした。「月に憑(つ)かれたピエロ」を発表した坂入は「いま若い音楽家はCDが出せない状況にある。その中で作品を発表できた意味は大きい」と語る。

1988年生まれの坂入は慶応大卒業後、会社員の傍ら指揮活動を続けてきた。ロシアの名指揮者フェドセーエフに弟子入りするなど、抜群の行動力で活躍の場を広げてきた。すでに東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団などプロ楽団の指揮経験があり、慶応大OBを中心とする東京ユヴェントス・フィルハーモニーやプロ奏者を集めた川崎室内管弦楽団を結成。これまでもユヴェントス・フィルや川崎室内管との共演盤をクラシックレーベルから発表しているが、メジャーレーベルのCDは今回が初めてだ。

今作はシェーンベルクがベルギーの詩人アルベール・ジローの詩の独訳版をもとに書いた表題作(計21曲で構成)を6人の若手奏者とともに収録した。「シェーンベルクは無調音楽で有名だが、この作品はロマン派的情感から退廃的無調音楽に向かう過程が濃密に描かれる」。その言葉通り、作曲家が表現した狂気と幻想の世界が再現された。オーパス・ワンはデビューした音楽家がリサイタルも開ける体制を整えており、若手の受け皿として機能しつつある。坂入は「挑戦的な作品が録音・演奏できるのも若手レーベルだからこそ。今後も若手を発掘してほしい」と期待する。

(岩崎貴行)

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