米民主の分断鮮明に ウォーレン氏、党内「橋渡し」失敗

米大統領選
2020/3/6 7:05 (2020/3/6 7:25更新)
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【ワシントン=永沢毅】米大統領選の民主党候補指名争いで左派のエリザベス・ウォーレン上院議員(70)が撤退を決めた。不振に終わった最大の理由は、党の結束をめざして訴えた左派と中道穏健派との「橋渡し」が双方の支持者から中途半端に映ったためだ。党の路線を巡る深刻な分断を浮き彫りにしており、トランプ大統領にとって格好の攻撃材料となる。

指名争いは中道がジョー・バイデン前副大統領(77)、左派はバーニー・サンダース上院議員(78)の2人に絞り込まれた。「それ以外の道があり得ると考えていたが、私が間違っていたことが分かった」。ウォーレン氏は5日、地元の東部マサチューセッツ州で記者団にこう語った。

ウォーレン氏は国民皆保険や富裕層への増税などサンダース氏と共通する「大きな政府」をめざす政策がクローズアップされるが、政治姿勢の根幹は同氏が格差拡大の原因とみる「行き過ぎた資本主義の修正」にある。巨大テックの解体や金融機関への規制論はその代表例だ。

選挙戦ではサンダース氏と並ぶ左派の旗手と目されながらも、ウォーレン氏は穏健派の支持層からも支持を得ようとしていた。「unite the party」(党を結束させよう)はウォーレン氏陣営のスローガンの1つでもある。

ウォーレン上院議員は左派と穏健派の双方から支持を十分には得られなかった=AP

ウォーレン上院議員は左派と穏健派の双方から支持を十分には得られなかった=AP

ウォーレン氏は南部オクラホマ州の保守的な家庭に生まれ育ち、もとは共和党の支持者だった。大学教授として破産法などの研究に関わる中でリベラル派に「転向」した経歴がある。

しかし、ウイングを広げようとする試みはどちらの層からも批判を浴びた。その象徴が国民皆保険を巡る論争だ。ウォーレン氏は2019年11月に民間保険を一時的に残し、後に公的保険に一本化する案を公表した。

しかし、その案は穏健派からは「非現実的」、左派からは「姿勢が後退した」とそれぞれ攻撃された。ほぼ相前後して一時は全米の世論調査でトップだった支持率も降下を始める。社会民主主義系雑誌「ジャコビン」発行人のバスカー・サンカラ氏は「ウォーレン氏の政策は、サンダース氏のものを水で薄めたような感じだ」と断じる。

「ウォーレンがいたせいで、少なくともサンダースはマサチューセッツやミネソタ、テキサスを落とした」。トランプ氏は5日、ツイッターでこう指摘した。バイデン氏が勝利したこれらの3州でウォーレン氏の得票をサンダース氏に単純合計すれば、バイデン氏を上回る。

サンダース氏には熱狂的な支持者が多く、バイデン氏が党の指名を受ければ本選では票を投じないリスクが指摘されている。左派と穏健派の対立をあおるトランプ氏の術中に民主ははまりつつある。

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