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ゴルフ会員権、値下がり続く 法人需要が低調

2020/3/10 14:00
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2月のゴルフ会員権相場は前年比で1割安かった(桜ゴルフ提供)

2月のゴルフ会員権相場は前年比で1割安かった(桜ゴルフ提供)

ゴルフ会員権の取引価格の下落が続いている。2月の平均価格は前年同月に比べ1割安く、前年実績を8カ月連続で下回った。米中貿易摩擦の余波で業績が悪化する企業が目立つなか、年度末を控え不要不急な資産と判断した会員権を処分する動きが続いている。急速に感染が広がる新型コロナウイルスの影響も弱材料で、安値が長期化する可能性もある。

関東ゴルフ会員権取引業協同組合(東京・千代田)がまとめた関東圏の2月の平均価格(主要150コース)は166万5000円。直近の高値だった2019年2月に比べ20万円(10.7%)安く、2年10カ月ぶりの安値水準だ。

法人を中心とした需要の停滞が主因だ。例年2月は3~4月の社長交代など役員人事に合わせてゴルフ会員権を買い替えるため、法人の問い合わせが多くなる時期だ。だが、取引大手の桜ゴルフ(東京・中央)によると、今年2月の法人の注文数は、売りと買いを合わせた全体で前年同月に比べて3割少ないという。

1月には合併や組織再編をした大手企業が不要な会員権を売る動きも目立っていた。

19年秋の大型台風で被害を受けた千葉県のゴルフ場を中心に、年会費の引き上げが相次いだことも一因だ。割高感が強まった格好で、住地ゴルフ(東京・中央)の松崎顕上席アドバイザーは「年会費を上げた会員権に対する売り注文は3月に入ってもまだ増えている。高額な会員権を処分し、より手ごろな価格帯に買い替える動きが目立つ」という。

新型コロナの感染拡大も低調な取引に拍車をかけている。桜ゴルフの追崎昌宏店頭営業部長は「在宅勤務の導入で会員権の処分の可否を確認する役員も、処分手続きをする社員も不在がちになり、保有会員権の見直しが遅れている」と指摘。「企業業績の先行き不安もあり、購入を控える動きもある」と話す。

会員権価格の下落の背景について、三井住友DSアセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストは「製造業を中心に処分売りが加速している」とみる。米中摩擦に伴う景気減速などを映し、日本企業の海外向け需要が不振だったためだ。

日銀の19年12月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業で景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」の割合を引いた業況判断指数(DI)がゼロになった。「米中摩擦は19年末から落ち着いてきたが次は新型コロナ。景気の見通しは厳しい」(宅森氏)

新型コロナの影響は個人にも及んでいる。1月まで好調だった個人の買い注文が2月は前年並みにとどまった半面、売り注文は1割増えた。新型コロナの感染拡大で外出を手控える風潮もあり、ゴルフ場の予約をキャンセルする動きも出てきた。桜ゴルフの追崎店頭営業部長は「高齢者層の一部でゴルフ引退の契機になったのかもしれない」と話す。

■入会条件緩和で価格上昇も
 会員権の値下がりが目立つなか、2月に上昇した銘柄もある。相模原ゴルフクラブ(相模原市)の会員権は前年同月比3割、府中カントリークラブ(東京都多摩市)は1割上昇した。共通点はプレーする上で必要な入会条件の緩和だ。
 相模原ゴルフクラブは19年5月に「同伴プレー審査」を導入した。従来は入会者本人と保証人となるクラブ正会員2人の計3人で面接を受ける必要があった。今は本人がクラブが定める入会資格審査委員会と1ラウンド一緒にプレーすれば審査が済むため、入会しやすくなった。
 バブル崩壊以降、会員権を投資で売買する動きはほぼなくなり、実需が主軸となった。畑岡奈紗、渋野日向子ら「黄金世代」のプロ選手の活躍で注目度は上がっている。桜ゴルフの佐川八重子社長は「入会条件緩和が会員権市場の活性化につながることは間違いない」と期待している。(江口剛)
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