海外生産の分散・回帰に支援策 未来投資会議が検討

2020/3/5 20:51
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政府は5日、未来投資会議(議長・安倍晋三首相)を開き、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済政策のあり方を議論した。中国など特定の国に依存している生産を日本に回帰させたり、東南アジアに分散させたりする企業に対する支援策の必要性を確認した。観光需要を喚起するため、収束後には官民一体でキャンペーンを実施する方針も示した。

未来投資会議であいさつする安倍首相(5日、首相官邸)

首相は「一国への依存度が高い製品で付加価値が高いものは日本への生産拠点の回帰をはかり、そうでないものについても、一国に依存せずASEAN諸国への生産拠点の多元化をはかる」と述べた。

新型コロナの広がりでサプライチェーンが寸断され、部品の供給が滞る懸念が強まっている。政府資料によると、日本の中間財輸出・輸入の対中依存度はどちらも2割を超え、先進国の中で最も高い水準にある。

製造業へのヒアリングでは一国依存度が高く付加価値が高い製品として自動車のサイドエアバッグやエンジン部品、シートベルトなどが候補にあがったという。会議ではこうした製品の生産の一部を日本に回帰するよう補助金などの政策で後押しする方針を確認した。

ワイヤハーネスと呼ばれる電装部品やプリント基板など付加価値は高くないものの一国依存度が高い製品については、東南アジア諸国連合(ASEAN)などへの生産拠点の分散を後押しする施策を検討する。

感染の拡大を防止した後の経済喚起策も検討した。外国人の訪日旅行だけでなく、日本人の国内旅行も延期やキャンセルが増えている。政府は観光業のほか、商店街、農産品販売への幅広い支援が必要とみている。感染拡大防止後に速やかに旅行や消費需要を喚起するキャンペーンを実施できるように、今から官民で準備を開始する。

首相は会議で「経済の下押しリスクを乗り越えるためにも引き続き賃上げの流れの継続が重要だ」とも述べた。

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