大阪大、海で分解されるプラスチック開発 植物材料使い

大阪大学の麻生隆彬准教授と宇山浩教授らは5日、日本食品化工と共同で海の中で分解される新たなプラスチックを開発したと発表した。植物からとれる身近なでんぷんとセルロースを組み合わせた。従来の海洋生分解性プラスチックより安くできる見通し。食品包装など向けに5年後をめどに実用化を目指す。
でんぷんはトウモロコシやイモ類などに多く含まれる。セルロースは植物の主成分だ。ともに世界中に豊富にある。研究チームはでんぷんと次世代機能材料として注目されるセルロースナノファイバーを混ぜ、乾燥させた。強度や耐水性に優れた透明シートができた。
実験で海水に1カ月浸すとシートに穴が開いた。細菌類により分解されたと考えている。プラスチックごみによる海洋汚染問題などの解決に役立つと研究チームは期待している。
今後はでんぷんの種類の最適化や、どんな条件なら分解されやすいかなどの研究を進める。海洋生分解性プラスチックは一部メーカーが既に開発している。研究チームによると一般のプラスチックより性質で劣る、高価格、生産量が少ないといった課題があるという。
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