/

海外勢、日本株離れ拍車 年初から売越額2兆円超

海外投資家の日本株売りに拍車がかかっている。2月第4週(25~28日)の現物と株価指数先物の合計の売越額は1兆7695億円と、約1年4カ月ぶりの大きさとなった。景気減速懸念が高まっていたところに、新型コロナウイルスの感染拡大を警戒した世界的な株安が追い打ちをかけた。年初からの累計の売越額はこの週の時点で2兆円を超え、累計買越額はアベノミクス相場のピークの約10分の1となった。株安に歯止めがかかっても、積極的な日本株買いは広がりに欠けそうだ。

東京証券取引所の投資部門別売買動向と大阪取引所の投資部門別取引状況を合算した。日経平均株価はこの週、週間で2243円(9.6%)下落した。海外勢の売越額は2018年10月第2週(1兆8179億円)以来の大きさだった。18年10月は米長期金利の上昇や米中貿易摩擦などを受け金融市場に不安が広がっていた。

海外勢は2月第4週まで3週連続で売り越し、年初からの売越額は累計で2兆9201億円となった。12年11月のアベノミクス相場後の累計買越額は2.4兆円強と、15年5月のピーク時(約24兆円)の10分の1に再び縮小した。

今週に入ってからも海外勢の日本株売りは続いている。5日の日経平均株価は229円(1.1%)高の2万1329円で引けた。前日の米ダウ工業株30種平均の1173ドル(4.5%)高と比べて上げが小さかった。野村証券の高田将成氏は「日本の景気回復は米国に比べて遅いとみた短期筋が空売りを仕掛けている」とみる。

象徴的なのが半導体関連株だ。前日の米国市場でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が5%高となった半面、5日は東京エレクトロンが0.5%高にとどまり、アドバンテストSCREENホールディングスは逆行安となった。

海外投資家の持ち株比率の高い銘柄は軟調さが目立つ。日経平均が昨年来高値を付けた1月20日からの値動きをみると、外国人持ち株比率が4割のアルプスアルパインは下落率が38%となった。人材サービスのパーソルホールディングスも31%安となり、「新型コロナの影響が見通せず、内需・外需ともに利益確定売りが広がっている」(みずほ証券の三浦豊氏)。

海外勢の売りが広がるなか、相場を支えるのが日銀の上場投資信託(ETF)買いだ。今月2日には黒田東彦総裁が緊急談話を発表し、1000億円を超えるETFを購入した。アベノミクス開始後の日銀買いは26兆円を超える。

下値では逆張りの個人の買いも目立ち、前週は6017億円の買い越しだった。買越額は18年10月以来の大きさだ。企業の自社株買いも活発で、事業法人は2067億円の買い越しだった。

もっとも「日銀、個人、企業の自社株買いは相場の下支えとなるが、上値を追う買い方はしない」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘氏)との指摘がある。「昨年10月の上昇局面で買った海外勢による売りは一服感が出ている」(野村証券の高田氏)ものの、新型コロナの影響は見通しにくく、短期の投資家に左右される不安定な相場が続きそうだ。

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン