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名古屋の味噌煮込みうどん 土鍋でぐつぐつ麺に歯応え

出張ご当地グルメ

ぐつぐつと煮立った赤褐色の豆味噌「八丁味噌」に、コシのある硬めのうどんが絡み合う――。名古屋めしの代表と言えば、やはり「味噌煮込みうどん」だろう。しょうゆベースのだし汁に味噌を溶き、うどんとネギや鶏肉、かまぼこなどを入れて煮る。一人用の土鍋で運ばれてくるため、単身の出張者にもうれしいグルメだ。

もともとは八丁味噌が生まれた愛知県東部の三河地方で古くから広まっていた家庭料理だ。豆味噌は長期の熟成中に大豆のたんぱく質が大量に分解されてうま味成分のアミノ酸になり、煮込むほどにコクが深まるのが特長だ。明治時代に名古屋市の若松町(現・中区大須)の「山本屋」が初めて商品として売り出したとされる。

鍋の蓋をお皿代わりに、ふうふうと冷ましながら食べるのが通だ。うどんを生のままゆでずに投入し、芯が残った硬めの状態で味わう。初めての人は「生煮え」と感じるほどだが、塩分を使わず、水と小麦粉のみで作るのがこだわりだ。かむほどに小麦粉の風味と味噌の甘みが調和し、歯応えが癖になる。

うどんを食べ終わった後は、残った汁に白飯を入れる人も多い。炭水化物を追加する背徳感とは裏腹に、胃にすっぽりと収まってしまうのが不思議だ。

山本屋を源流とし、長い歴史を持つ「山本屋総本家」と「山本屋本店」の2つの老舗が名店として知られる。山本屋総本家のオーナー、町田幸子さんは「屋号『カクキュー』の八丁味噌とコシのある麺がこだわり」と話す。人気メニューは「親子煮込みうどん」(税込み1826円)で、打ち粉には甘みが出るそば粉を使っている。

山本屋本店では、自家製の漬物が一部店舗を除きおかわり自由だ。豆味噌に白味噌をブレンドし、まろやかな味に仕立てた汁との相性は抜群だ。隠れメニューは味噌抜きの「おすまし」で、しょうゆベースのだしの香りが楽しめる。どちらも東海道新幹線のJR名古屋駅のすぐ近くに店舗がある。出張の際にはぜひ立ち寄ってみてほしい。

(名古屋支社 林咲希)

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出張や家族旅行の際に楽しみとなるのが、各地のご当地料理。なぜその料理が地域を代表するようになったのか。ひもとくと意外、興味深い事実が明らかになり、食にもう一つの味わいを添える。全国の支社支局の記者がその土地を代表し、かつあまり高価ではなく、手の届きやすい料理を紹介する。

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