中韓から入国、2週間待機 ビザの効力停止 首相表明

2020/3/5 17:25 (2020/3/5 22:46更新)
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羽田空港国際線ターミナルの韓国行きチェックインカウンター(5日)

羽田空港国際線ターミナルの韓国行きチェックインカウンター(5日)

安倍晋三首相は5日夜の新型コロナウイルス感染症対策本部で、感染が拡大する中国や韓国からの入国を3月末まで大幅に制限する方針を表明した。両国からの入国者に対し、感染しているかどうかにかかわらず、宿泊施設や医療施設などに2週間の待機を要請する。短期滞在向けを中心にビザ(査証)の効力を停止する考えも示した。

人の往来が細くなる状態が長引けば観光業や小売業への影響は大きくなる。制限措置の多くは3月末までとなっているが、長引くようなら企業活動や日本経済全体を冷え込ませるおそれもある。

首相は「いまが正念場であり、機動的な水際対策についてもちゅうちょなく断行していくことが不可欠だ。積極果敢な措置を講じる」と理解を求めた。5日時点で中国での新型コロナウイルスの感染者は8万人を超え、韓国も5千人超に上る。

「中韓両国からの入国者に対する検疫を強化し、指定する場所で2週間の待機を要請する」と言明した。香港やマカオから入国する場合も対象になる。日本人を含む措置で、9日午前0時から実施する。入国者に公共交通機関の利用も控えてもらう考えも示した。

首相は「中国、韓国からの入国者総数を抑制する」と、航空便の到着を成田国際空港と関西国際空港に限定するよう求めた。船舶についても、両国からの旅客運送の停止を提起した。

ビザの効力停止をめぐっては、中国と韓国にある日本大使館や総領事館で発給されたビザを対象とする。韓国と香港、マカオに対するビザ免除は停止する。入国済みの外国人には柔軟に対応する。

入国拒否の拡大にも言及した。韓国の慶尚北道の一部地域やイランのコム州などに滞在歴がある外国人を対象に加える。これまでは中国の湖北、浙江両省や、韓国の大邱市と慶尚北道清道郡を対象としていた。

この適用期間は7日午前0時から当分の間とする。テロリストなどを想定した出入国管理法5条1項14号を根拠としており、5日の国家安全保障会議(NSC)の緊急事態大臣会合で確認した。

伊藤忠商事はすでに日本から海外への出張は原則として中止または延期にしている。日産自動車も中国と韓国への出張を原則禁止。自動車部品のジーテクトも国内外の出張を原則禁じており、今回の検疫強化の前から慎重な対応の企業は少なくない。

旅行業界では衝撃が広がる。ある旅行大手の幹部は「日本人の帰国者も検疫対象になる。旅行業界にとって痛手だ」と懸念する。韓国・ソウルなどのツアーは今も利用者が一定数いる。今後のツアーの開催などについて日本旅行は「政府からの正式な情報をもって対応を検討していく」とコメントした。

首相は5日の対策本部で、国内で品薄が深刻になっているマスクの高額転売を禁止する方針も表明した。国民生活安定緊急措置法の政令を近く改正する。供給不足になっているマスクについて、インターネットなどを通じて一般の人が購入しにくくなるような高額で転売されるのを防ぐ。

再生利用可能な布製マスク2千万枚を買い取り、高齢者施設や保育所などに配布すると発表した。10日にもまとめる第2弾の緊急対策に盛り込む。

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