ネパール仏画師が農場経営 富山で小松菜生産継ぐ

2020/3/5 9:54
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富山県射水市で、ネパールから来日した仏画師のダルマ・ラマさん(46)が小松菜生産に取り組んでいる。後継者不在に悩む日本人の農家から農場を引き継いで約3年。会社を設立し、販路の開拓や加工場の新設を進めるほか、ネパールに現地法人を開くなどして事業を拡大している。

富山県射水市の農場で、母国ネパールからの視察団と話す仏画師のダルマ・ラマさん(左端)=共同

ダルマさんは2005年、富山県出身の日本人の妻が出産するのを機に同県に来た。社交的な性格で、仏画を教えたりネパール料理を振る舞ったりしながら地域に溶け込んでいった。交流を広げようと自宅近くで家庭菜園を始めたことが農業への興味を持つきっかけとなった。

「農地を継いでみないか」。14年、射水市で農場「葉っぴーファーム」を営む荒木龍憲さん(67)がダルマさんに声を掛けた。ダルマさんは「最初は難しいと思ったが、何カ月たっても後継者が見つかっていないと聞き、決意を固めた」と振り返る。

親族以外の「第三者」への事業承継先が外国人になるのは県内初で、継承に向けた行政との交渉は7カ月に及んだ。その後約2年間、荒木さんの下で研修を受け、17年に同ファームと8人の従業員を引き継いだ。

栽培では有機肥料などを使って付加価値を付け、県内に加え、東京都内のホテルにも出荷する。現在建設中の加工場では料理に使う小松菜のペーストを製造する予定だ。ネパールの現地法人ではエゴマを生産しており、エゴマ油に加工する富山市の会社に販売している。

ダルマさんは同ファームにカフェや、自身が描いた曼荼羅(まんだら)を展示するギャラリーを設け住民の交流の場にし、両国の経済の橋渡し役も務める。「農業には人と人、地域と地域を結ぶ力がある」と意気込んだ。〔共同〕

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