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福島県郡山市の太田西ノ内病院、先端設備を積極導入

医療介護最前線

福島県郡山市は人口33万人の中核市でありながら国公立の大手病院がなく、民間の有力病院がしのぎを削る。中でも太田西ノ内病院は病床数1086と県内最大の規模を誇る。2019年には国内初の高精度の放射線装置によるがん治療を始めた。先端設備や新しい技術を積極的に取り入れ、地域で大学病院に代わる中核的な医療機関の役割を担っている。

太田西ノ内病院が日本で初めて導入した「ハイパーアーク」技術によるがん治療装置(福島県郡山市)

昨春始めた放射線によるがん治療技術の「ハイパーアーク」。米国企業が開発した装置を国内に初めて導入した。転移型の脳腫瘍を高い精度で狙い撃ちでき、治療時間も従来の数分の1で済む。建物を含めて10億円強を投資した。

18年に稼働したデュアルソースコンピューター断層撮影装置(CT)は東北地方で初の設置。通常の装置では1つしかない読み取り部分が複数あり、診断時間を大幅に短縮できる。

18年には救命救急センターに起動時間が短い最新型のCTを導入した。3次救急医療施設として年間約5千台の救急車を受け入れるセンターで威力を発揮している。

新保卓郎病院長は「医大の付属病院や東京の大手病院と同水準の医療をどうしたら提供できるか常に考えて体制を整えている」と話す。

太田西ノ内病院の運営主体の太田綜合病院は前身の医院開業から今年で125年になる。過去にも積極的な投資を成長につなげてきた。1981に開設した救命救急センターは民間病院では全国初だった。89年には駅前の百貨店の向かいにあった旧病院から当時は田畑が広がっていた現在の場所に移転し、その後の規模拡大につなげた。

太田善雄副理事長は「投資資金を確保するには収益基盤をしっかりさせることが大切」と話す。国による医療費の抑制が続いているが、太田西ノ内病院の直近3年の決算は総収入250億~260億円、純利益率1~2%で安定している。

設備の稼働率を維持する一方、病院で使用する資材や建物を効率よく使うことでランニングコストを抑えているという。

郡山市には世界最先端のがん治療法といわれるホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の実用化に取り組む南東北グループなど有力な民間医療機関が多い。各病院は急患の受け入れなどで相互に協力関係を築く一方、人材の確保では競合する面がある。

地方の医師不足は深刻で太田西ノ内病院は先端設備を十分活用するためにも、有能な医師をどう確保していくかが今後の課題になりそうだ。

(郡山支局長 村田和彦)

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