サッポロ、北米は酒類に専念 中計見直し、HD縮小も

2020/3/5 2:00
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NIKKEI BUSINESS DAILY 日経産業新聞

サッポロホールディングス(HD)は中期経営計画を見直し、2020年12月期からの5カ年計画に改めた。米国の飲料事業からの撤退が主な理由だ。海外部門は全て事業会社に移管し、HDの規模も縮小する。酒類事業は国内と北米の両地域に、食品飲料事業はレモンやスープ、植物性ミルクなどの商品に注力する。売上収益から原価や販管費を引いた事業利益で24年12月期に19年12月期比2.6倍の300億円を目指す。

サッポロHDは酒類と食品飲料で注力領域を見直した(主力のビール「黒ラベル」を生産する国内工場)

サッポロHDは酒類と食品飲料で注力領域を見直した(主力のビール「黒ラベル」を生産する国内工場)

■米国飲料撤退で方針転換

サッポロHDの従来の中計は、20年12月期が最終年度。だが12年に参入した米国の飲料事業から撤退を決めたため、早々に見直した。米国の飲料事業はオレンジ果汁の原材料費が上昇する一方、健康志向の高まりで消費量が減少。プライベートブランド(PB)の飲料や学校や病院向けの給食事業なども展開したが、市場の変化に対応しきれなかった。北米では酒類事業に経営資源を集中する。

20年からは事業子会社のサッポロビールが国内外の酒類事業を管轄する。北米では17年に買収したクラフトビール製造の米アンカー・ブリューイング(カリフォルニア州)をてこ入れする。海外ブランド「サッポロプレミアム」の販売が好調なため消費量の多い米西海岸での生産を検討しており、アンカーでの生産も選択肢の1つという。東南アジアではベトナムの生産子会社の稼働が好調。ベトナム国内の消費や近隣の国・地域への輸出を伸ばしている。

国内ではビール系飲料の酒税改正に照準を合わせる。減税になるビール「黒ラベル」の販売を増やす一方、節約志向の消費者を捉えた第三のビールでは新商品投入で巻き返す。酒税の変わらない缶チューハイにも力を入れる。

飲料食品事業ではレモンサワーなどの飲み物や料理向けに冷凍カットレモンを売り出すなどレモン関連に力を入れる

飲料食品事業ではレモンサワーなどの飲み物や料理向けに冷凍カットレモンを売り出すなどレモン関連に力を入れる

■食品も注力、V字回復狙う

食品飲料事業では19年8月末にサッポロビール仙台工場(宮城県名取市)でカップ入りスープの生産能力を増強した。豆乳やアーモンドなど、植物性ミルクの市場拡大も見据える。強みとするレモンの飲料や食品も伸ばす。

一方、HDは規模を縮小し予算調整や経営組織の管理といった機能に特化する。組織再編で7月に食品事業を担う「サッポログループ食品」を設立し、事業会社で迅速な経営判断ができるようにする。同社の19年12月期の連結事業利益は前の期比23%減の117億円だった。20年12月期は140億円、24年12月期は300億円を目指す。

このほかサッポロビールで4月から勤続10年以上で満45歳以上の社員を対象に希望退職を募る。目標人数は設定せず、早期退職の優遇措置として通常の退職金とセカンドキャリア支援金を支給する。サッポロHDの尾賀真城社長は「会社を強くするため、人材の多様化や流動化を進める」と強調する。

(企業報道部 後藤健)

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