トヨタ労使交渉3回目、課題議論で「溝」埋める

2020/3/4 19:30
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トヨタ自動車は4日、愛知県豊田市の本社で3回目となる2020年春季労使交渉を開いた。部品各社や提携する同業他社などグループ全体での競争力強化などトヨタが抱える課題について労使で意見を交換した。賃金に偏らない話し合いを深めたことで労使は一定程度の「溝」を埋めた。ただ、労組側が賃上げなど満額回答を引き出せるかは不透明だ。

トヨタ自動車は4日、3回目の2020年春季労使交渉を開いた。(2019年のトヨタ労組決起集会、愛知県豊田市)

前年の労使交渉ではこの時期に豊田章男社長が「今回ほど距離感を感じたことはない。こんなにかみ合っていないのか」と社内の危機意識の薄さを指摘していた。今回の交渉では最後に「本音の話し合いに近づけた」と話し、前年と比べると、良好な関係での話し合いとなった。

ただ賃上げなどについて組合側としては楽観視できない状況だ。河合満副社長は「これ以上、賃金ベースを引き上げるのは競争力を失うことにもつながりかねない」と発言。昨年は豊田社長が感じた「溝」を理由に、冬の一時金を継続協議として結論を持ち越すなど、異例の展開となっていた。

今回の労使の3回目交渉は、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、規模を縮小して開催。人数は会社側が前回より約70人少ない38人、組合側は90人少ない30人が参加した。会社側と労組側だけでなく、非組合員の管理職層も前面に出て議論する三角協議は継続した。

労組側は全組合員平均で月1万100円の賃上げと年間一時金は基準内賃金の6.5カ月分を要求。賃金改善分に相当するベースアップ(ベア)の金額は非開示だが、人事評価に応じて昇給に差をつける新たな方法で配分するよう求めている。これまでの交渉で会社側は前向きな姿勢を示しており導入に向けた議論を進める。

豊田社長は3日に発表した副社長を廃止するなどの組織変更についても言及した。「副社長の階層をなくすのは、次の世代に手渡しでたすきを渡すためだ」と話し「そのためには次世代のリーダーと直接会話し、一緒に悩む時間をもたないといけない」と続けた。「執行役員はいまのトップを支える経営陣であるとともに、次のトップの候補生だ」とも語った。

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