マレーシア新首相、下院招集を5月に延期 不信任案封じか

2020/3/4 19:30
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ムヒディン新首相は5月に下院が招集されるまでに政権基盤を固める構えだ=ロイター・マレーシア政府提供

ムヒディン新首相は5月に下院が招集されるまでに政権基盤を固める構えだ=ロイター・マレーシア政府提供

【クアラルンプール=中野貴司】マレーシアのムヒディン新首相は4日、連邦議会下院の招集を当初予定されていた9日から、5月18日に延期すると決めた。対立するマハティール前首相が用意するムヒディン氏への早期の不信任案提出を妨げる狙いだとみられる。

自らが下院議員の過半数の支持を得ていると主張するマハティール氏は倒閣を目指している。だが、早期の不信任案提出が難しくなれば、同氏支持の機運が下がり、劣勢に転じる可能性がある。

アリフ・ユソフ下院議長が4日、新首相から通知を受けたことを明かし、新たな日程を発表した。次の国会の会期は5月18日から6月23日となる。招集は従来の日程から2カ月以上先送りした。

ムヒディン氏が下院招集を延期したのは、支持議員数がなおマハティール氏と拮抗しており、自らの不信任決議案が下院で可決されるリスクが残っているためだ。5月までに地域政党などを取り込み、過半数の支持を確実にする戦略とみられる。その間に組閣や新型コロナウイルス対策を実行し、新政権への支持率を高めていきたい考えだ。

ムヒディン氏は2日のテレビ演説で「汚職とは無縁の人物を閣僚に任命する」と約束した。新政権を支える勢力には政府系ファンドを舞台にした汚職で逮捕、起訴されたナジブ元首相らが所属する。こうした疑惑を抱える人物が総選挙を経ないまま、再び影響力を強める可能性への批判が強い点を意識し、国民の不信払拭に懸命だ。

ただ、ムヒディン氏が総裁を務めるマレーシア統一プリブミ党(PPBM)の議員数は実質約30人だけで、政権運営はナジブ氏が所属する統一マレー国民組織(UMNO)などに頼らざるを得ない。今後2カ月間で安定した政権基盤を築かない限り、5月の下院で不信任案が提出、可決されるリスクは消えない。

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