チームのCO2排出「見える化」 J2甲府、分析し削減

サッカーJ2のヴァンフォーレ甲府(VF甲府)が、環境対策に役立てようと、チーム活動で排出される二酸化炭素(CO2)量を数値化した。原因を分析することで削減につなげたいとし、「日本のスポーツ界が環境を意識するきっかけにしたい」と意気込む。
VF甲府によると、Jリーグ初の取り組み。第24回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP24)で設定された、「スポーツを通じた気候行動枠組み」にVF甲府が署名したことから、東京都市大学などと共同研究を実施した。
商品やサービス全体の排出量を示す「カーボンフットプリント」という手法を用い、2018年3月~19年2月の遠征費や広告宣伝費など24項目ごとの活動量にCO2の排出量を掛け合わせて算出。
総排出量2230トンのうち、選手の遠征費やユニホーム、広告物の紙など主催者要因が約6割を占めており、ゼネラルマネジャーの佐久間悟さん(56)は「ペーパーレス化や働き方改革など課題が見えた」と話す。
残りを来場者の移動などが占め、ホーム戦観客の95%が自家用車を利用していることも判明。「山梨は車社会だが、公共交通機関を利用してほしい。協賛企業を募りシャトルバスを拡充するなど対策を模索したい」と協力を呼び掛けた。
VF甲府はホーム戦で地元NPOのリユース食器を導入し、ごみ箱を撤去してごみの持ち帰りを推奨している。「大学や地域と連携することで、うちのような中小企業でも環境対策に取り組めると示したい」と佐久間さん。
共同で調査を行った東京都市大環境学部の伊坪徳宏教授(50)は「社会的影響力を持つプロのチームが環境対策に取り組むことは重要。CO2の『見える化』はその第一歩だ」と話している。〔共同〕