IMF・世銀春季会合、「仮想空間」で開催へ
【ワシントン=長沼亜紀】国際通貨基金(IMF)と世界銀行は3日、新型コロナウイルス感染拡大の懸念から、ワシントンで4月17~19日に開催予定だった春季大会を中止し、代わりに「仮想空間」で実施すると発表した。大規模集会を中止・延期する動きが各国で広がっており、主要な国際会議も追随することになった。

春季大会には例年、加盟国の財務省や中央銀行関係者、世界中の市民団体代表や記者など約1万人が集まる。しかしそうした機会は、ウイルス拡散に寄与する危険性があることから今回は直接顔を合わせた会合ではなく、ビデオ会議などオンライン・プラットフォームを活用して討議・意見交換を行うことになった。
IMFのゲオルギエバ専務理事は「参加者とスタッフの健康と安全を確保しながら加盟国の役に立ちたい」と説明。世銀のマルパス総裁も「この形式でも、差し迫ったグローバルな経済問題に加盟国は効果的に関与できる」と自信を示した。
ただし、財務相らが出席する国際通貨金融委員会についてはまだ開催形式が決まっていない。同時期に開催される20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議にも影響する可能性がある。
IMF・世銀総会は2001年9月の米同時テロ事件直後に延期されて以来、中止されたことはない。
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