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FRBが0.5%緊急利下げ 市場安定へ追加緩和の余地

(更新)

【ワシントン=河浪武史】米連邦準備理事会(FRB)は3日、臨時の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、政策金利を0.5%引き下げた。新型コロナウイルスの拡大で市場が混乱し、景気不安を抑える狙いがある。パウエル議長は「今後数カ月の動向を注視し、経済を支えるために適切に行動する」と主張。景気リスクが拭えなければ、追加利下げに踏み切る考えもにじませた。

短期金利の誘導目標であるフェデラルファンド(FF)金利を、年1.50~1.75%から年1.00~1.25%に引き下げた。FRBは17~18日に定例のFOMCを予定していたが、株価急落を受けて前倒しで利下げを決定した。臨時会合を開いて利下げするのは、金融危機直後だった2008年10月以来、11年半ぶりだ。

会合後に記者会見したパウエル議長は「新型コロナによって経済活動にリスクが持ち上がり、産業界も懸念の声を上げている」と緊急利下げの理由を説明した。利下げ幅も通常の0.25%ではなく0.5%に引き上げ、企業や消費者の先行き不安に迅速に対応する意思を表した。

パウエル議長は「米経済は底堅い拡大基調に戻っていくだろう」とも指摘した。ただ、世界的なサプライチェーンの混乱や旅客需要の落ち込みが長引くリスクは拭えない。同議長は「状況は極めて不透明で流動的だ。経済を支えるため、政策ツールを用いて適切に行動する」と述べ、追加利下げも辞さない姿勢を市場にアピールした。

実際、金利先物市場では、6月までに0.25%以上の追加利下げに踏み切るとの観測が7割もある。FRBに執拗に利下げ圧力をかけてきたトランプ米大統領も3日、FOMC直後の演説で「ようやく利下げしたが、それでも米政策金利は他国に比べて高すぎる」となお不満を表明し、追加利下げを露骨に求めてみせた。

3日のFOMCは同日朝(日本時間同日夜)に主要7カ国(G7)による緊急の財務相・中央銀行総裁会議の直後に開いた。G7は共同声明で「あらゆる政策手段を用いてリスクに立ち向かう」と表明。FRBが真っ先に大幅な利下げに動いて先手を打った。

市場は日銀や欧州中央銀行(ECB)が協調的な金融緩和や市場安定策に打って出るとにらむ。ただ、FRBにはなお利下げ余地があるものの、マイナス金利政策を敷く日銀やECBは政策金利の引き下げが容易ではない。日欧は米国の大幅利下げで円高やユーロ高が進むことを警戒する。主要中銀の「協調」が「競争」へと変われば、市場の新たな混乱の芽となりかねない。

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