景気下振れ回避へ「あらゆる政策手段」 G7共同声明

2020/3/3 21:39
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7カ国(G7)財務相・中銀総裁による電話会議後、記者団の取材に応じる麻生太郎財務相(3日、東京・霞が関)

7カ国(G7)財務相・中銀総裁による電話会議後、記者団の取材に応じる麻生太郎財務相(3日、東京・霞が関)

主要7カ国(G7)の財務相・中央銀行総裁は3日夜、緊急電話会議を開き、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気下振れリスクに対応するため「あらゆる適切な政策手段を用いる」とする共同声明を発表した。世界の金融市場の安定に向けて、G7が財政・金融政策を総動員する姿勢で足並みをそろえた。

麻生太郎財務・金融相は会議終了後、記者団に対し「世界経済の成長と金融市場の安定のため、G7各国と対応していきたい」と語る一方、「国によって対応策は違う」とも述べた。

声明は新型コロナの感染拡大が市場や経済に与える影響を「注意深く監視する」と指摘。G7財務相・中銀総裁は「タイムリーかつ効果的な手段でさらに協調する用意がある」とアピールした。

G7が財政・金融政策で協調姿勢を打ち出したのは、新型コロナの世界的な感染拡大と株価下落が企業や消費者の心理を悪化させかねないためだ。米ゴールドマン・サックスは1~3月期の世界経済がマイナス成長に転落すると予測する。政策が後手に回れば、世界的に景気後退に陥るリスクもある。

共同声明を受けて、各国中銀は景気減速リスクに対処するため、協調的な金融緩和の検討を本格化している。米連邦準備理事会(FRB)は3日、臨時の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、政策金利を0.5%引き下げた。欧州中央銀行(ECB)は12日に理事会を控える。

日銀も上場投資信託(ETF)や国債の機動的な買い入れを進める。黒田東彦総裁は2日、「潤沢な資金供給と金融市場の安定確保に努める」との談話を発表。3日には市場に5千億円を供給するオペ(公開市場操作)を前日に続き実施した。マイナス金利の深掘りや年6兆円のETFの買い入れ規模の増額など追加緩和の是非も議論する。

もっともFRBの政策金利が1%程度、ECBや日銀はマイナス金利政策をとっており、利下げ余地は乏しい。世界的なサプライチェーンの混乱や旅客需要の落ち込みに利下げで直接対処するのは難しく、金融緩和頼みにも限界がある。

新型コロナの感染拡大で米ダウ工業株30種平均が大幅に下落するなど、世界の金融市場に動揺が広がっていた。G7議長国の米国のムニューシン財務長官は市場安定に向けて各国と水面下で調整に入っていた。

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