豊田社長が後継育成を本格化 トヨタ、最高幹部一本化

2020/3/3 19:30
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トヨタ自動車の豊田章男社長は後継育成を本格化し始めた

トヨタ自動車の豊田章男社長は後継育成を本格化し始めた

トヨタ自動車が4月1日付で副社長職を廃止し、最高幹部を執行役員に一本化することを決めた。背景を探ると、幹部の階層を減らすことで豊田章男社長と次世代の社長候補らとの直接の議論機会を増やし、自ら育成していく狙いがある。トヨタは近年、組織改革を繰り返しているが、100年に一度の変革期で生き残るための打ち手が止まらない。

副社長職の廃止でトヨタの執行役員は現在の18人から21人となる。それぞれ「チーフオフィサー」や「カンパニープレジデント」、「地域最高経営責任者(CEO)」などの名称で各機能をつかさどる体制に変わる。

執行役員で現副社長のディディエ・ルロワ氏(62)は退任し取締役などとしてとどまる。同じく副社長を務め、トヨタの中核部門である量産車の製品開発などを担当する吉田守孝氏(62)は退任する。

トヨタの現最高幹部陣は豊田章男社長(63)、内山田竹志会長(73)、工場などが担当の河合満副社長、財務などが担当の小林耕士副社長(71)など重鎮ぞろい。副社長陣で最も若いのは友山茂樹副社長(61)になる。

トヨタ自動車は副社長職を廃止する(2019年、東京都江東区)

トヨタ自動車は副社長職を廃止する(2019年、東京都江東区)

4月以降は近健太執行役員(51)が財務担当となる。吉田氏の担当などを引き継ぐ前田昌彦執行役員(51)も最高幹部の中では若手となる。人事担当の桑田正規氏(49)は新たに執行役員に昇格する。豊田社長の念頭にはこうした50代前半の幹部を中心に最高幹部に育成していきたい思いがありそうだ。

在任11年目に入った豊田社長はかねて「価値観の共有や企業風土改革は自分の代でやり切る」と強調している。3日出した発表文でも「次世代のために私がやらなければならないことは何よりも『トヨタらしさ』を取り戻すことだ」とコメントした。春季労使交渉でも異例の形式で管理職以上に変革を促す姿勢を強めている。

トヨタは通常、1月に新体制で動き出すが、組織変更は時期にとらわれない傾向が強まっている。変革に向けて残された時間は少ないとの危機感も組織改革を後押ししているようだ。

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