イスラエル総選挙 ネタニヤフ首相続投の可能性 連立工作へ

2020/3/3 18:42
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2日のイスラエル総選挙で、ネタニヤフ首相が率いるリクードが第1党を確実にした=AP

2日のイスラエル総選挙で、ネタニヤフ首相が率いるリクードが第1党を確実にした=AP

【カイロ=飛田雅則】イスラエルで2日に実施された一院制の国会(定数120)の総選挙でネタニヤフ首相が率いる右派与党リクードが第1党を確実にした。同首相を支持するユダヤ教系宗教政党を合わせた議席数は過半数に迫る勢いとなっており、多数派連立工作によりネタニヤフ氏が首相続投する可能性が高まった。

選挙管理委員会は1週間後をメドに正式な結果を発表する見通し。3日時点の開票でネタニヤフ支持派勢力が得票を伸ばしている。現地の有力テレビの出口調査によると、リクードは36~37議席で、中道野党連合「青と白」の32~34議席を上回った。ネタニヤフ氏は3日、支持者の前で「イスラエルにとってよい政権をつくるため、協議をはじめる」と勝利宣言した。

単独政党で過半数を獲得することが見込めないため、リブリン大統領は選挙結果の発表を待って、連立政権を最も早く樹立できる可能性が高い首相候補者に組閣を要請する。ネタニヤフ氏が指名を受ける公算が大きく、6週間以内で交渉を調整し連立政権を発足させる必要がある。

出口調査によると、敬虔(けいけん)なユダヤ教徒で組織する2つの宗教政党を含むネタニヤフ支持派の勢力は59議席。政権発足に必要な過半数(61議席)を確保するため、ネタニヤフ氏は「青と白」などの議員に離反工作を仕掛けると見られる。「青と白」は右派に近い考えを持つ議員も多く、ネタニヤフ氏は政権発足後のポストを提示して、こうした議員を自陣営への取り込みを図る。

今回の総選挙は、2019年4月と9月の選挙後に連立協議が不調に終わり、政権が発足できなかったことに伴い実施された。ネタニヤフ陣営は米国のトランプ大統領が1月に親イスラエル色が強い中東和平案を発表したことを外交成果とアピールした。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ対策を迅速に打ち出したことも支持され、前回選挙で第1党だった「青と白」に差を付けた。

ネタニヤフ氏は収賄罪などで起訴されており、3月17日に初公判が控えている。裁判が長期化すれば、求心力が低下する可能性がある。批判をかわすため、パレスチナやイランなどへの強硬策に出ることが予想され、地域の緊張を生む恐れがある。イスラエル民主主義研究所のギデオン・ラハト教授は「パレスチナとの和平交渉の再開は難しい」と指摘している。

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