日経平均反落 終値261円安の2万1082円
政策期待が後退
3日の東京株式市場で日経平均株価は反落し、前日比261円35銭(1.22%)安の2万1082円73銭と安値引けした。日本時間の同日夜にも開かれる見通しの主要7カ国(G7)の財務相・中銀総裁による緊急の電話会議に関し、ロイター通信は関係筋の話として「現時点で声明文には協調利下げや財政出動といった具体的な政策対応は盛り込まれない」見通しだと報じた。新型コロナウイルスへの警戒が続くなかで相場の支えとなっていた政策対応への期待が後退し、午後にかけて売りが膨らんだ。

新型コロナの感染拡大の終息時期が見通せず、相対的に景気や企業業績への影響を受けやすいとの受け止めから目先の日本株は上値の重い状況が続くとの見方も重荷となった。市場の一部で、前日に株価が上昇しても株価指数連動型上場投資信託(ETF)を買い入れていた日銀が3日は購入を見送っているのではとの観測が出たことも、買いの手を鈍らせた。
協調利下げなどへの期待から2日の米ダウ工業株30種平均が大幅反発し、日経平均も朝方は前日終値から370円あまり上昇する場面があったが、買いの勢いは続かなかった。後場に大きく下落したことで、日中の値幅(高値と安値の差)は637円と3営業日連続して600円を超えた。
JPX日経インデックス400は反落。終値は前日比175.77ポイント(1.28%)安の1万3515.86と安値引けした。東証株価指数(TOPIX)も反落し、20.75ポイント(1.36%)安の1505.12と、こちらも安値引けした。業種別TOPIXは33業種全てが下落し、とりわけ証券株や機械株などの下げが顕著だった。
東証1部の売買代金は概算で3兆719億円、売買高は17億6490万株だった。東証1部の値下がり銘柄数は全体の9割近い水準となる1938、値上がりは189、変わらずは35銘柄だった。
ファストリやファナック、ダイキンが下落。東エレクやアドテストも下げた。アステラスにも売りが優勢だった。半面、ソフトバンクグループ(SBG)やNTTデータは上昇。エーザイや武田、オリンパスも上げた。スズキも堅調だった。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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