米欧中銀、協調緩和を検討 ECBも「的確な措置用意」

2020/3/3 3:50 (2020/3/3 7:25更新)
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ムニューシン米財務長官(右)とパウエルFRB議長=ロイター

ムニューシン米財務長官(右)とパウエルFRB議長=ロイター

米連邦準備理事会(FRB)や欧州中央銀行(ECB)など米欧主要中銀は、新型コロナウイルスの景気不安に対処するため、協調的な金融緩和に踏み切る検討に入った。ECBのラガルド総裁は2日に「的確な措置をとる用意がある」と表明。英中銀も同日、利下げを排除しない方針を示した。FRBは会合を前倒しして利下げを決定する可能性もある。

主要7カ国(G7)の財務相・中銀総裁は、3日にも緊急の電話会議を開いて対応策を協議する。G7議長国である米国のムニューシン財務長官が各国と調整に入り、フランスのルメール経済・財務相も2日、仏国営テレビのインタビューで「G7が協調行動に向けて近く電話協議する」と明らかにした。会議後には共同声明を出して、各国が早期に協調策を打ち出すと確認する見通しだ。

主要中銀は協調的な金融緩和に踏み切る可能性が強い。ECBのラガルド総裁は2日夜(日本時間3日朝)、新型コロナウイルスの感染拡大に対応して「潜在的なリスクに対し、必要でふさわしい、適切で的確な措置をとる用意がある」とする声明を公表した。声明文では、感染拡大が経済の先行きや金融市場の機能のリスクになっているという認識を示した。

ECBの政策金利(中銀預金金利)はマイナス0.5%と低く、利下げ余地に乏しい。ラガルド総裁は当初、残り少ない緩和カードの切り時を慎重に判断する考えだったが、2月下旬に世界的に株価が急落するなど、市場環境が急速に悪化し、決断を余儀なくされたとみられる。ECBの次の理事会は3月12日に予定されている。

G7ではFRBが既に利下げに向けて検討に入っている。パウエル議長は2月28日に「政策ツールを用いて適切に行動する」との緊急声明を発表した。FRBは17~18日に次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開くが、会合を前倒しして政策金利を引き下げる可能性もある。市場では利下げ幅も通常の0.25%ではなく0.5%になるとの見方が大勢だ。

英イングランド銀行(中銀)の報道官も2日に「財政、金融の安定性に必要なあらゆる措置をとれるよう英財務省や海外の当局と緊密に連携していく」とのコメントを発表し、利下げも排除しない姿勢をにじませた。英金融市場では、イングランド銀が26日に政策判断を公表する金融政策委員会で利下げする確率を60%超と織り込む。

英政策金利は現在、0.75%で、欧州連合(EU)離脱の影響を読み込めきれず、金融政策は現状維持が続いていた。次回委員会は16日に就任するベイリー新総裁にとって初めての政策決定となり、もともと利下げ観測があった。そこに新型コロナの影響が加わり、市場の利下げ圧力はさらに高まっている。11日には英政府が新年度予算を発表する予定で、財政面でも企業への支援など経済対策を盛り込む方針だ。

(ワシントン=河浪武史、ベルリン=石川潤、ロンドン=中島裕介)

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