マレーシア新首相「私は裏切り者ではない」

2020/3/3 0:10
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【クアラルンプール=中野貴司】マレーシアのムヒディン新首相は2日夜、国民に向けてテレビ演説し、「私は裏切り者ではない。国を危機から救うために首相の座についた」と強調した。同じ政党に属するマハティール前首相から離反し、野党連合と手を結んだとの批判に反論し、「汚職や権力乱用の抑制に最優先で取り組む」と国民に支持を訴えた。

ムヒディン新首相は2日、官邸で首相としての執務を開始した=マレーシア政府提供

ムヒディン氏は「(マハティール氏とアンワル元副首相の)2人の首相候補がともに下院議員の過半数の支持を得られないのをみて、政治の混迷を止めるには何ができるかを熟考した」と説明。マハティール氏に事前に面会し、立候補への理解を得たとも明かした。

ムヒディン氏が事実上の就任演説で経緯に細かく触れたのは、総選挙を経ないまま野党連合と政権をつくることへの国民の反発が強いためだ。マハティール氏も1日「ムヒディン氏に裏切られた」と強く批判していた。ムヒディン氏は新首相が決まらなければ、解散・総選挙になり政治の空白が長引く恐れがあったと述べ、自らの立候補と首相就任を正当化した。

ムヒディン政権は統一マレー国民組織(UMNO)や全マレーシア・イスラム党(PAS)といったマレー系の主要政党が加わり、民族色が濃くなる見通しだ。ムヒディン氏は「華人系、インド系も含め、私は全ての民族グループの首相だ」と力説し、非マレー系の国民の不安払拭に努めた。

ムヒディン氏は組閣などを早期に進め、新首相としての自らの存在を国民にすり込ませたい考えだ。ただ、マハティール氏は自らが下院議員の過半数の支持を得ているとの主張を続けており、国会で首相の不信任決議案を提出する構えだ。両氏の支持議員数は拮抗しており、首相の座を巡る争いが長引く可能性がある。

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