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公的年金、75歳から受け取り可能に 改革法案を閣議決定

(更新)
働く高齢者の年金制度を見直す

政府は3日、年金制度の改革法案を閣議決定した。高齢者の就業を促進するため、75歳から年金を受け取り始めると毎月の年金額が増える仕組みに見直す。個人型確定拠出年金(イデコ)など私的年金に長く加入できるようにする改革も盛り込んだ。少子高齢化や長寿化に対応した年金制度に改める狙いがある。

国民年金法などの改正案は、全国民が加入する公的年金制度と個人が任意で入る私的年金制度の2つの見直しが柱だ。政府は今国会での法案成立を目指す。改正法は一部を除いて2022年4月の施行を予定する。

公的年金制度は働く高齢者の増加を踏まえ、年金を受け取る仕組みを変える。現状、60~70歳の間で選ぶ年金の受給開始年齢を60~75歳に広げる。受け取り開始年齢を1カ月遅らせるごとに年間の受給額は0.7%増える。75歳まで遅らせると終身で年84%増になる。

働く高齢者に年金の一部を減らす「在職老齢年金」も同時に見直す。60~64歳の場合、現行では賃金と年金の合計額が月28万円を超えると年金が減るが、この基準を月47万円に引き上げる。働くほど年金が減る仕組みが高齢期の就業意欲を阻害しているとの指摘があるためだ。

厚生年金保険料を納める支え手も増やす。今は厚生年金に加入するには「従業員501人以上の企業」、「労働時間は週20時間以上」、「賃金は月8.8万円以上」という条件を満たす必要がある。従業数の基準を見直し、22年10月からは「101人以上」、24年10月からは「51人以上」と中小企業で働くパートに対象を広げる。厚生労働省の試算では新たに65万人が厚生年金に加入できるようになる見通しだ。

イデコはすべての会社員が入れるようにする

私的年金制度の改革では、個人型確定拠出年金(イデコ)を見直す。企業型確定拠出年金に加入する会社員であっても20歳以上であれば全員がイデコに入れるようにする。加入できる年齢も60歳未満から最長で65歳未満まで伸ばす。イデコは税制優遇がある年金制度で、老後資産を若いうちから積み立てることを後押しする。

厚労省は昨夏に公表した公的年金の財政見通し(財政検証)で、経済が順調に推移しても将来の給付水準が現在より2割弱低下するとの結果を示した。長寿化で年金をもらえる期間が延びる一方で、少子化で保険料を納める支え手が減っているためだ。ただ、今回の改革法案には年金抑制の強化策など抜本的な見直しは見送った。

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