中国5県の就活 新型コロナが影響、説明会中止相次ぐ

2020/3/2 20:30
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2021年春に卒業する大学生の就職・採用活動が本格的に始まった。学生優位の売り手市場は続くものの、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に大規模な合同説明会や企業説明会の中止や縮小が相次ぐ。例年とは異なる状況を受け、企業は説明会をインターネット上で配信するといった対応に追われている。

各県で企業合同説明会が中止となった(2日、広島市)

各県で企業合同説明会が中止となった(2日、広島市)

「リクナビ」を手掛けるリクルートキャリアは各地で開催予定だった合同企業説明会を中止。就職情報大手のマイナビも3月中旬までのイベント開催を見合わせた。広島県内の大学生からは「合同説明会が就活のスタートだと思っていた。何から始めればいいのか悩んでいる」といった声があった。

広島銀行などはインターネットで説明会を配信する

広島銀行などはインターネットで説明会を配信する

個別の企業説明会についても中止の検討や、開催を見合わせる動きが広がっている。

広島銀行は11日に予定していた説明会の中止を決定。東京や大阪でのUIJターンイベントも見合わせた。同行は企業説明会をインターネット上で配信する。イズミは山西泰明社長が登壇する予定だった3月中旬の会社説明会の中止を決めた。例年は約200人の学生が参加していた。参加を申し込んだ学生には、社長メッセージを収めた動画を配信する。

中国銀行は15日まで、計4回の個別説明会を中止する。山口フィナンシャルグループ(FG)は多くの学生が集まる大規模な説明会は中止し、エントリーした学生に視聴してもらう会社説明の動画を急きょ制作した。両者は今後テレビ会議システムを活用した面接の導入可否を含め「状況を見ながら検討したい」(中国銀)としている。

規模を縮小した上でイベントを開催する企業もある。北川鉄工所は入場者を少人数ずつ数回に分け、広島市と広島県福山市での説明会を3月上旬に予定通り実施する。大阪市、福岡市でも開く方向で検討している。同社は「こちらが出向くことで学生の負担やリスクは軽減できる」と話す。両備グループ(岡山市)は個々に訪問を依頼してきた学生を少人数でまとめて対応する方針だ。

企業によって対応が分かれ、就活のスケジュールが見えづらく、大学にも困惑が広がっている。県立広島大学(広島市)は「情報が日々変わっていく。どういった支援ができるかを議論している」と話す。

ノートルダム清心女子大学(岡山市)の高原憲章キャリアサポートセンター長は「状況を注視していくしかない」とこぼす。教員から「就活がいつ正常化するか不安を感じている学生も出てきた」との声もあるという。

説明会の中止や日程変更は全国的に広がっている。リクルートキャリア就職みらい研究所の増本全所長は「気になる企業がどこで情報発信をしているかを押さえることが学生にとって求められる」と指摘する。

今の状況が続けば、面接も含めてインターネット上でやり取りすることが主流になる可能性もある。増本所長は「ネットを活用することで、地域をまたいで学生にアプローチもできる」と、メリットがあることも話す。

一方で、中小企業やBtoB(法人向け)の事業を手掛ける地方企業では、大手と比べてインターネット上で検索される機会も少ない。合同説明会で学生との接点をつくることを重視していた企業にとっては痛手だ。採用計画の見立てが変動する可能性もあり、企業や学生にとっては手探りの状況が当面は続きそうだ。

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