ナスカ地上絵に新展望台 ペルー、日本人ら援助
【サンパウロ=共同】動物や幾何学模様など不思議な線画で知られる南米ペルーの世界遺産「ナスカの地上絵」を観光客らが鑑賞できる新たな展望台がこのほど、日本人の有志や地元日系団体などの援助で完成した。

従来の展望台(約14メートル)は考古学者の故マリア・ライヘ氏が地上絵のある砂漠を走る高速道路脇に1970年代後半に建設したが、老朽化が目立っていた。
そこで地上絵の保護活動にかねて取り組んできた埼玉県新座市の会社社長、田島陽志さん(39)が2014年から、ペルー文化省などと新設計画を進めてきた。
旧展望台の向かい側に位置し、高さ約20メートル。上から「トカゲ」などの地上絵を鑑賞できる。文化省が21万6千ソル(約700万円)を拠出し、田島さんら有志と地元日系信用組合などが11万8千ドル(約1300万円)以上を寄付した。入場料は大人4ソル。
2月4日に現地で行われた開所式に出席した田島さんは「地上絵を間近で見ていただき、国境を超えた協力の大切さや次世代まで歴史をつなぐ思いを感じてほしい」と話している。〔共同〕