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低迷チーム救う闘将 ハンドボール・土井レミイ杏利(上)

2020/3/6 13:59
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人気の動画投稿アプリ「ティックトック」で40万人のフォロワーを持つ。動物の顔マネやコミカルなネタで楽しませる「レミたん」が裏の顔なら、表の顔はハンドボール日本代表の主将だ。土井レミイ杏利(大崎電気)は、ネット上に劣らない求心力で東京五輪に向かうチームを引っ張る。

滞空時間の長いシュート、リーダーシップでチームをアジア選手権3位に導いた=写真提供JHA/Yukihito TAGUCHI

滞空時間の長いシュート、リーダーシップでチームをアジア選手権3位に導いた=写真提供JHA/Yukihito TAGUCHI

日本代表は1月、クウェートで行われたアジア選手権で3位に入り、来年の世界選手権切符を勝ち取った。既にアジア代表として東京五輪出場を決めているバーレーンにも2度勝利。土井も左サイドとして全7試合で合計23得点を挙げ、優秀選手に選出された。

「ここで結果を残せなければ、誰も五輪で僕らに期待しなくなるという決意で臨んだ」。レミたんとは別人の真剣な表情で語るのは、それまでの苦闘があったからだ。32年ぶりの五輪に向け、アイスランド出身の名将ダグル・シグルドソンを監督に招いて強化に取り組んできたが、チームは低空飛行が続いた。昨年1月の世界選手権は全敗で24チーム中最下位。そんな暗闇の中で同年6月、「キャプテン土井」は誕生した。

「監督からは『おまえのポジティブさと経験でチームの雰囲気を変えてほしい』と言われた」。ちょうど父の祖国フランスでの6シーズンにわたるプレーを終え、日本リーグへ移籍を決めた直後だった。「フランスリーグの2部と3部の間くらいのレベル」と語る日本へ戻る決断をしたのも「代表のため」。合宿や遠征にフル参加できるようになったことで、主将就任へ障害もなくなった。

天性の明るさ、本場欧州でのプロキャリアなど「武器」は色々あれど、主将としての9カ月間、説いてきたことはただ一つ、戦う気持ちだ。「日本人は闘争心を出すのが苦手。海外の選手は戦争に行くような殺気だったテンションで、それが一体感を生む。同じようなアドレナリンを出させるのが僕の役目」。試合前のいつ、どんな言葉で、どんなトーンで何を語るか、常に考えているという。

勝負強いプレーでも勇気を与える。滞空時間の長いジャンプでGKの逆を突き、狭い角度から確実にゴールを決める。「杏利さんの一言で雰囲気がガラッと変わるようになってきた」。大崎でも同僚の元木博紀はその影響力を認める。

アジア選手権は準決勝で逆転負けしたショックを振り払い、3位決定戦を1点差で勝利。前日には選手だけでミーティングを行い、ベテラン、若手関係なく意見をぶつけ合った。

「おれたちは変わるんだ、一歩先に進むんだという意識が生まれている。この勢いのまま、五輪になだれ込みたい」。戦う集団の先頭に立つ。=敬称略

(山口大介)

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