マレーシア第8代首相にムヒディン氏就任
マハティール氏、自らが過半数確保と主張

2020/3/1 12:54 (2020/3/1 17:15更新)
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宣誓式に臨むため、自宅を出るムヒディン新首相(1日、クアラルンプール)=ロイター

宣誓式に臨むため、自宅を出るムヒディン新首相(1日、クアラルンプール)=ロイター

【クアラルンプール=中野貴司】マレーシアのムヒディン元副首相は1日午前、クアラルンプールの王宮で開かれた宣誓式を経て、第8代首相に就任した。今後、早期の組閣に着手する。一方、首相の座を巡る争いに敗れたマハティール前首相は1日、自らが連邦議会下院の過半数の議員の支持を得ており、首相の有資格者だと主張した。

マハティール氏側は9日にも開会する国会で、ムヒディン新首相の不信任決議案を提出するなどして倒閣を目指す。両陣営は今も議員の引き抜き合戦を続けており、国王の首相任命によって落ち着くはずだったマレーシア政治は混迷が続いている。

新政権はムヒディン氏が総裁を務めるマレーシア統一プリブミ党(PPBM)、有力野党の統一マレー国民組織(UMNO)、急進的なイスラム主義を掲げる全マレーシア・イスラム党(PAS)が中心となる。いずれもマレー系の政党で、華人系政党が主要政党の一角を占めていた前政権に比べ、民族色が濃くなる。

ムヒディン氏支持に回り、首相就任の流れを決定づけたボルネオ島の地域政党GPSは「現段階では友好的な関係にとどまる」として、政権中枢には加わらない方針を明確にしている。マハティール氏陣営へのくら替えの可能性をちらつかせながら、自らに有利な政策や予算を引き出す狙いだとみられる。与党連合から離脱したムヒディン新首相の権力基盤は強くなく、ナジブ元首相が属するUMNOや地域政党に配慮した政権運営をせざるをえない。

マハティール氏も首相復帰をあきらめていない。同氏は1日「我々は(下院222議席の過半数の)114議席を持っている」と述べ、ムヒディン氏は首相の要件を満たしていないと主張した。2018年5月の総選挙で敗れたUMNOやPASが新政権に加わることを念頭に「敗者の政府ができることになる」と批判した。

マハティール氏側は予定通り9日に下院を開くことを求めている。下院でムヒディン氏の不信任決議案を可決し、内閣総辞職か解散・総選挙に追い込みたい考えだ。ただ、両陣営の支持議員数は日々変動しており、9日時点でマハティール氏側が過半数を確保できているかは不透明だ。

ムヒディン新首相は南部ジョホール州出身で72歳。ナジブ政権時代に副首相、直近のマハティール政権時代に内相を務めるなど、豊富な閣僚経験を持つ政治家だ。副首相に就いていた15年に、政府系ファンド「1MDB」の汚職疑惑を巡って当時のナジブ首相を批判し、更迭された過去もある。

その後、マハティール氏と共に新党PPBMを設立し、18年5月の政権交代を実現した。マハティール氏が2月24日に首相を辞任した後も、同氏への支持を表明していたが、土壇場で野党連合の支持を得て自ら首相を目指す方針に転換。マハティール氏との争いを制し、首相に就くことになった。

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