バイデン氏、第4戦で初勝利 米大統領選民主予備選
南部サウスカロライナ州
【コロンビア(米サウスカロライナ州)=永沢毅】米民主党は29日、大統領候補選びの第4戦となる南部サウスカロライナ州予備選を開いた。複数の米メディアは穏健派のジョー・バイデン前副大統領(77)の勝利が確実と報じた。出口調査によると、黒人票で6割超を獲得して圧勝した。左派のバーニー・サンダース上院議員(78)らが2位争いを演じている。
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苦戦が続いていたバイデン氏は今回の初勝利で一矢報いたことで、14州の予備選などが集中する序盤の天王山、3日のスーパーチューズデーに向けて弾みがついた形だ。指名レースで首位を走るサンダース氏への対抗馬となる穏健派候補の主導権争いは一段と激しくなる。
米CNNによると、開票率99%でバイデン氏が得票率48.4%となり、サンダース氏(19.9%)に大差をつけた。大富豪の実業家トム・ステイヤー氏(62)が11.3%、ピート・ブティジェッジ前インディアナ州サウスベンド市長(38)が8.2%で続いた。

バイデン氏は29日夜の集会で「皆さんの力で大きな勝利を得られた。トランプ大統領を倒し、上院も奪回する」と勝利宣言した。サンダース氏は南部バージニア州の集会で「全ての州で勝てるわけではない」と敗北を認めた。
サウスカロライナの民主党支部によると、期日前投票は8万人弱に達し、前回2016年を約3万人上回ったという。
サウスカロライナは民主支持層の約6割を黒人が占めている。バイデン氏はオバマ前政権で副大統領を務めた実績を訴え、黒人票の取り込みに力を入れてきた。同州ではサンダース氏に激しく追い上げられていたが、第3戦の西部ネバダ州で2位に入ると急速に持ち直した。下院の院内幹事を務める黒人有力議員から支持を取り付けたのも好影響をもたらした。
穏健派のマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長(78)はサウスカロライナ予備選には参加せず、スーパーチューズデーから参戦する。
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