雪まつり後に発症者急増 北海道、新型コロナ拡大

2020/2/29 20:02
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新型コロナウイルスの感染が拡大している北海道で、国内外から約200万人の観光客が訪れた「さっぽろ雪まつり」(札幌市)が閉幕した後の13日から発症者が急増していたことが29日、分かった。道内各地のほか千葉、熊本両県でも雪まつりの観光客が発症している。専門家は「戸外ではなく会場のテント内などで濃厚接触し、感染が広がった可能性がある」と指摘している。

「さっぽろ雪まつり」の会場に掲示された、せきエチケットに関するポスター(2月4日、札幌・大通公園)

「さっぽろ雪まつり」の会場に掲示された、せきエチケットに関するポスター(2月4日、札幌・大通公園)

道内では同じく雪まつり後の2月13~15日に北見市で開かれた展示会に参加した人で新たな感染者の集団(クラスター)が発生した疑いが浮上。道は28日に緊急事態宣言を出して29日からの週末における外出自粛を道民に要請している。

北海道では1月26日、中国・武漢市から観光に訪れた40代女性が初めて発症。女性の訪問先は明らかになっていないが、同月31日に札幌市内の自営業の50代男性が発症、重症となった。男性は直近で渡航歴はなかった。

同市内では2月8日に40代男性が発症。さっぽろ雪まつりの会場に設けられたプレハブ小屋で事務作業するスタッフで、「少なくとも発症前の2週間は札幌市から出ていない」という。一緒に作業していた別の40代男性も15日に発症しており、同市幹部は「感染経路は分かっていないが、市中感染が起きているといえる」とみている。

感染を確認された日でみると、21日以降に感染者が急増しているようにみえる。だが28日までに各自治体が発表した66人の発症状況を分析すると、4~11日に開催されていた雪まつり閉幕後の13、14日に各2人、15日に4人、16日に5人、17日に6人、18日に10人と急増していた。

18日には、雪まつりに来ていた旭川市の30代男性が発症するなど、札幌市付近から感染が拡大している。

雪まつりの来場者数は、中国が海外への団体旅行を禁止したほか、地元の小学校や幼稚園も団体での来場を取りやめ、昨年より2割強減って約202万人。実行委員会は消毒液を設置し、日英中の3言語でマスクの着用や消毒を要請するイラスト入りのポスターを掲示するなど異例の警戒態勢を敷いていた。

札幌市の秋元克広市長は「いろいろ対策を取っていたにもかかわらず、感染者が出たことは大変残念」と述べている。

雪まつりの観光客は道外でも発症している。熊本県で15日に発症した60代男性は北海道在住で、親の介護のため熊本県の実家を訪れて発症した。東京都在住の50代女性は16日に発症、実家のある千葉県内で感染が確認された。11~13日に雪まつりなどを観光していた。

感染症に詳しい東北大の押谷仁教授は「さっぽろ雪まつり自体は野外イベントのため、感染の危険性は比較的低いはずだ」と指摘する。

ただ、多数の屋台がビニールハウスやプレハブ小屋で出店しているほか、周辺の飲食店で休憩する人も多い。押谷教授は「人が密集する閉鎖空間で食事をしている中に感染者がいれば、ウイルスは拡散しやすい」とみている。

19日以降は発症者が減っているが、今回のウイルスは潜伏期間が1~12.5日とされ、感染しても発症していない人がいる可能性がある。

厚生労働省が警戒を強めているのは、こうしたイベントや集会などを通じて感染した人が別の集団で感染を広げることだ。クラスターが次々と連鎖することを防ぐため、国立感染症研究所などの専門家で構成する「クラスター対策班」を同省内に初めて設置した。

道知事の要請を受けて現地で感染の連鎖を調査しており、東京都内で感染が拡大した屋形船のような新たなクラスターが生じていないか確認を急いでいる。

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