カリフォルニアで相次ぐイベント中止や出展辞退 新型コロナ警戒

2020/2/29 4:25 (2020/2/29 6:28更新)
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IBMの出展見送りにより、不自然な空間ができた展示会場(26日、サンフランシスコのセキュリティ見本市)

IBMの出展見送りにより、不自然な空間ができた展示会場(26日、サンフランシスコのセキュリティ見本市)

【シリコンバレー=佐藤浩実】新型コロナウイルスの感染拡大で、IT(情報技術)企業の多い米カリフォルニア州でもイベントを中止・延期する動きが広がってきた。28日には、3月に開催予定だったゲーム開発者向けイベントの主催者が延期を表明。フェイスブックは5月の年次会議を開かないと決めた。春は世界の開発者や顧客が一堂に会するITイベントが集中する季節だけに、企業戦略や地域経済への影響が懸念される。

「ご自由に楽しんでください」。28日までサンフランシスコで開催したセキュリティー関連の見本市、展示会場の一角に現れた不自然に広い空間にソファがポツポツと置かれていた。IBMが新型コロナの感染拡大を理由に出展を辞退し、スペースがぽっかりと空いてしまったためだ。会場の至る所に消毒用のアルコールが置いてある。

ただ、参加者からは「開催できただけマシ」との声が漏れる。同じ会場で3月に開催予定だった「ゲーム開発者会議(GDC)」は28日までに、ソニー、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、エピックゲームズといった主要企業が相次いで出展見送りを表明。イベントの主催団体は同日午後に「延期を決定した」との声明を出した。今夏の再開催を目指すという。フェイスブックは世界の開発者を集めて年に一度開く「F8」の中止を決めた。

企業が警戒を強めるのはこれまでアジアが中心だった「市中感染」が米西海岸にも広がった可能性が出てきたからだ。27日にはカリフォルニア州のニューサム知事が33人から新型コロナの陽性反応を確認したと発表。アジアからの渡航者を中心に、8400人強の経過を観察していると明かした。

米国の西の端にあるカリフォルニア州はアジア移民が多く、人の往来も盛んだ。中国の武漢市やクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」からチャーター機で帰国した人々を隔離していた空軍基地もある。日本の満員電車のような日常的に他人と密着する状況はほとんどないものの、米国の他の地域と比べて警戒感が高まりやすい。

気候の良い3~5月ごろは例年ならば、テック関連のイベントが集中する時期だ。普段はチャットやビデオ会議でやりとりしている世界の開発者や顧客が顔を合わせて集い、情報交換をする場として重視してきたIT企業も多い。周辺のホテルや飲食店など恩恵を受けてきた地域の産業もある。新型コロナの影響がどこまで広がるのか、IT業界から地域住民までやきもきしている。

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